シクラメン 灰色カビ病
調子のおかしい株を見つけたら、ほかの株から離します
灰色カビ病(ボトリチス病)は、シクラメンがかかりやすい病気の1つです。
この病気で、大切なシクラメンを枯らしてしまったということも、少なくありません。
シクラメンの灰色カビ病のことを良く理解し、
かかっているのを見つけたら、すぐに対処しましょう。
[シクラメン 灰色カビ病]
■症状と発生時期
灰色カビ病にかかると、花柄や葉柄に灰色っぽいカビが発生します。
花弁に1mm程度の小さな斑点ができたり、球根にもカビが発生します。
カビが発生したところから腐っていくことも多いため、注意が必要です。
発生が多くなるのは、涼しくて湿度の高い春や秋の長雨の時期です。
ただ、栽培環境によっては、年中発生する可能性があります。
生育期間中である9月~5月はもちろん、休眠中であっても、
湿度の高い環境が続くと、灰色カビ病にかかることがあります。
寄せ植えなどでも、ぎゅうぎゅうに花を詰めないようにします
■原因
灰色カビ病の原因となる菌は、冷涼で湿度の高い環境を好みます。
春や秋に長雨が続くと、湿度が自然と高くなるため、発生が多くなります。
また、長雨の季節でなくても、気温があまり高くない状態で、
風通しの悪い環境だと、発生する場合があります。
鉢と鉢の隙間が狭い場合も、風通しを悪くしてしまい、発生しやすくなります。
また、窒素を多く与えた場合も、発生が多くなります。
シクラメンに与える肥料は、窒素・リン酸・カリのうち、
窒素が多い肥料は避けるようにします。
水を与える時、葉や花、球根に水をかけてしまうと、
なかなか乾かずに湿度が高くなり、そこからカビが発生します。
特に球根は、中心が凹んでいる上に、
小さな新芽が密集しているため、水分が抜けにくく、
灰色カビ病の症状が出やすくなるので注意します。
■予防・対処法
灰色カビ病にかからないようにすることが先決です。
それでもかかることはあるので、早いうちに対処しておくことが重要です。
・環境を整える
灰色カビ病に感染しにくい環境を作るようにします。
日照不足や湿度の高い環境、風通しの悪さなどによって発生が多くなります。
できるだけ日当たりの良い場所で育て、健全な株を維持することも大切です。
また、葉組みをして、球根の中まで日が差し込むようにします。
葉組みをして、球根の中まで日が差し込むようにしましょう
・花ガラ、葉ガラ摘み
傷んだ花や葉は、適宜摘み取っておくようにします。
傷んだものをそのままにしておくと、
他の葉や球根などにべったりと付着して、そこからカビが発生します。
摘み取る時は、ハサミなどを使わず、
花柄や葉柄の付け根付近を指でつまんで、ねじるようにして摘みます。
また、摘み取った後に水を与えるのは避け、
傷口が乾燥してから水を与えた方が、カビが発生しにくくなります。
・水やり
水を与える時は、葉や花に水が直接かからないように注意します。
先端がハス口になっているものよりも、
水差しのようにストレートになっているものの方が、
水のかかる場所をコントロールすることができます。
葉や花、球根に水がかからないよう、
土に直接水がかかるようにして与えるのがコツです。
・患部を摘む
もし灰色カビ病の症状が出ているのを見つけたら、
症状が広がらないうちに、症状の出ている部分を摘み取ります。
花がまだ散っていなくても、葉が枯れていなくても、
症状の出ている部分は摘んでおきましょう。
放っておくと、そこからまた胞子を出して広がり、
気付いた時には手がつけられてなくなってしまいます。
ただし、球根に症状が出ている場合は、切り取ったりするのが難しいため、
薬剤を使用して治療する方が良いでしょう。
早めに灰色カビ病に対処することで、症状も早く落ち着きます。
・薬剤散布
症状が広がっている場合や、球根に症状が出ている場合は、薬剤を使って治療します。
薬剤は、チオファネートメチル剤が使えます。
灰色カビ病の発生初期であればあるほど、効果が高いので、
症状が重くならないうちに散布するようにします。
また、発生初期に症状に気づけるよう、
こまめにシクラメンの様子を観察するのもポイントです。
葉や花の表面上だけでなく、葉組みするときなどにも、
球根や葉の付け根などに、症状がないかもチェックするようにしましょう。
感染が多くなる時期に、チオファネートメチル剤を、予防的に散布する方法もあります。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え