シクラメンの肥料
シクラメンの開花を長くいっぱい楽しみ、
翌年も咲かせるのに大切なもののひとつは肥料です
必要な時期に、適した肥料を与えることで、新しい花や葉が増え、
病気にかかりにくい健康な株に育てることができます。
こちらでは、大型のシクラメンの肥料についてご紹介します。
ガーデンシクラメン、原種系については、後に記事にいたします。
[シクラメンの肥料]
■シクラメンに肥料が必要な時期
シクラメンには、生育サイクルがあります。
葉が茂り、花を咲かせる生育期と、
花がなく葉だけになったり、葉も花もない休眠期です。
・生育期
生育期は、新しい葉や蕾を作っては伸ばし続ける時期で、
根も同様のバランスで旺盛に伸びる時期です。
だいたい9月頃~翌年の5月頃までは生育期とされているので、
この期間は肥料が切れないようにする必要があります。
肥料が切れると、花数が極端に少なくなる、
葉の色が悪くなるなどの症状が出ます。
・休眠期
花が落ち着いてくる5月頃から、シクラメンは休眠期に入ります。
環境によって、葉を残した状態で夏越しをしたり、
葉もなくなって完全に休眠状態になったりします。
完全に休眠している状態であれば、
水も肥料も不要となるため、追肥は必要ありません。
葉だけが残った状態になった場合は、
生育期よりも肥料を減らして与える必要があります。
元気なシーズン中は、次々と花芽が上がります
■肥料の効き方
肥料の中には、窒素・リン酸・カリという成分が含まれています。
この3要素の配合率は、肥料の種類によって様々です。
配合率によって、シクラメンに合う肥料と合わない肥料があります。
配合率は肥料の袋に記載されていますので、
よく確認してから購入・使用するようにしましょう。
・肥料の3要素の効果
窒素:
新芽の発生を促し、葉数を増やします。
葉や花の色を良くし、大きい花を咲かせる効果もあります。
リン酸:
花つきを良くし、根を伸ばします。
カリ:
細胞を丈夫にし、病気や環境の変化に強い株を作ります。
根を丈夫にする効果もあるため、暑さや寒さに耐えられる力がつきます。
一見すると窒素が最も重要な成分に見えますが、
実はそうではありません。
シクラメンで一番楽しみたいのは、やはり花です。
花つきを良くすることは、
長期間安定して花を咲かせることにつながります。
また、夏や冬、シクラメンにとって厳しい環境になった時、
その環境に耐えられる株を作る効果のあるカリも大切な要素です。
窒素は花色や葉の数を増やすという重要な役割がありますが、
窒素が多い肥料ばかりを与えてると、
葉ばかりが茂って花つきが悪くなります。
シクラメンに与える肥料は、
リン酸やカリが少し多めのものを選ぶのが良いです。
■シクラメンの肥料の使い分け
シクラメンを育てる時に必要なのは、元肥と追肥です。
また、肥料には即効性のものと、ゆっくりと効く緩効性のものがあります。
さらに液状、タブレット状、顆粒など、形状にも種類があります。
肥料売り場にはたくさんの種類の肥料が置かれていて、
どれを買っていいものか悩むこともあるでしょう。
元肥と追肥、それぞれの時期に合わせた肥料を与えることがポイントです。
・元肥
シクラメンを植え付けたり、植え替えをしたりする時に必要な肥料です。
最近では、専用の培養土もあるので、
もし手に入るのであれば、専用培養土を使うのも便利です。
自分で土を配合して用土を作る場合は、元肥として肥料を入れます。
この時使う肥料は、粒状のものをお勧めします。
緩効性肥料マイガーデン~植物全般用【元肥・追肥】C)Hana Uta 米沢園芸 楽天市場店
粒状 緩効性肥料
粒状の肥料:
粒状肥料は、用土と混ざりやすいので、扱いやすいです。
植え替えをした後のシクラメンは、根を伸ばす必要があるため、
リン酸が多めのものを使います。
肥料には即効性のあるものもありますが、
即効性のある肥料は、すぐに強い肥料成分が水に溶けだし、
根を傷めてしまう原因となります。
必ずゆっくりと効く、緩効性タイプの肥料を選んでください。
植え替え時に、根が腐って傷んだ状態になっていた場合は、
元肥は入れずに用土だけを使って植え替えます。
・追肥
追肥をする時は、粒状のものよりも、
液状かタブレット状のものが便利です。
特に生育期に与える追肥は、タブレット状が扱いやすいです。
反対に、夏越しをしている間に与える肥料は、
濃度を自由に調整できる液体肥料がいいでしょう。
液体肥料:
液体肥料は、カリかリン酸が多めのものを選びます。
1000倍希釈が標準の肥料を使う場合、生育期は1000倍に希釈したものを、
1週間に1回与えるようにします。
シクラメンの花がない夏の間は、希釈を2000倍にして与えるようにします。
株が完全に休眠している場合は、追肥の必要はありません。
追肥のスタートは、植え替えたものであれば、
植え替え後から2週間~3週間経ち、根が伸びて安定してからにします。
購入してきたばかりの、すでに花が咲いている株の場合は、
家の環境に慣れた、購入1週間後から追肥すると元気でいてくれます。
タブレット状の肥料:
タブレット(錠剤)状の肥料は、種類にもよりますが、
だいたい2か月を目安に与えるようにします。
窒素・リン酸・カリは、同等のものかリン酸が多めのものを選びます。
2か月経って追肥をする時、前回与えた肥料が残っている場合は、
それを取り除いて新しい肥料を置きます。
また、肥料を置く場所は、球根の近くではなく、
球根から離れた、鉢の縁の側に置きます。
シクラメンの追肥のスタートは、購入したばかりの開花株の場合は、
購入後1週間してからです。
植え替えをしたものは、しっかりと根が張ってから与えるため、
植え替え後1か月経ってから追肥を始めるタイミングが良いです。
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