シクラメン うどんこ病
シクラメンが、うどんこ病にかかることがあります
他の植物がうどんこ病にかかった時とは、
少し症状が異なることがあるので、注意して観察します。
シクラメンのうどんこ病の症状と原因、対処をご紹介していきます。
[シクラメン うどんこ病]
■症状と発生時期
うどんこ病といえば、うどんの粉を葉の表面にふったような症状が出るので有名です。
シクラメンだけでなく、バラなどの他の植物もかかりやすい病気のため、
うどんこ病という名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
シクラメンが通常は葉に症状が出ることの多いうどんこ病ですが、
シクラメンの場合は葉よりも、花や花柄に出ることが多いのが特徴です。
花に白っぽいシミのようなものができ、蕾や花柄に症状が出た場合には、
中途半端に花弁が開いた状態になったり、
うまく開花できずに萎れてしまうこともあります。
うどんこ病の原因となる菌は、涼しくてやや湿り気が少ない環境を好みます。
そのため、涼しくなって湿度が下がる秋口と春に症状が出やすくなります。
ガーデンシクラメンなどの戸外で越冬するものの場合は、
寒さが強くなってくるとうどんこ病の菌もあまり活動しなくなります。
ところが、大輪タイプのシクラメンは、冬の間も室内に置いて管理することが多く、
うどんこ病の原因菌が繁殖しやすい環境が整いやすくなることもあります。
■原因
うどんこ病は、風通しが悪い環境で発症することが多いです。
シクラメンは葉が密に茂り、重なっていることも多いため、
株元は風通しが悪くなりやすい生態をしています。
風通しが悪く、空気があまり動かない場所で、
うどんこ病の原因菌は徐々に増殖して被害を広げていきます。
葉をきれいに整理し風通しを良くすれば、まだ救える状態です
■予防・対処法
うどんこ病は、かかりにくくするために予防することができる病気です。
また、発症しているのを見つけた時に、
すぐに対処することで、最悪の事態を回避することもできます。
・予防法
うどんこ病の病原菌が、涼しくて湿気があまり高くない環境を好むからといって、
その状況になったら必ず発症するわけではありません。
どちらかというと風通しが悪くなっていることの方が問題です。
シクラメンは球根の上部から葉芽と花芽が出てきて、
そこから徐々に葉が展開し、蕾が膨らんで開花します。
販売されているシクラメンの多くは、
中央に花が集まって咲いていて、その周りに葉があります。
これは農家が葉と蕾を動かす「葉組み」をして整えているので保たれている株姿で、
実際に何も手を出さなければ、葉の隙間から花が飛び出たような姿になります。
葉と葉の隙間から花が飛び出た姿も、それはそれで良いのですが、
肝心の株の中心にまで光が届かなくなり、風通しも悪くなります。
そのため、シクラメンは定期的に「葉組み」と呼ばれる手入れを行います。
大きい葉から順に外側になるように引っ張り、花が中心にくるようにする作業です。
これを行うことで、葉全体と株の中心に光が入るようになり、通風が良くなります。
また、不要になった葉や花をそのままにせず摘み取ることも、
うどんこ病の予防になります。
終わった花や、黄変して役目を終えた葉は、
球根に近い部分の付け根を指でつまみ、ひねるようにして摘み取ります。
この時、ハサミなどを使うと、そこから病気に感染することがあるので、
必ず手でひねり取るようにします。
余分な葉や花ガラがなくなれば、それだけ風が通る隙間ができるので、
風通しが良くなり、その他のカビの発生も抑えることができます。
・対処法
うどんこ病にかかっているのを見つけたら、まず症状の出ている花を摘み取ります。
他の植物同様、ごく初期の状態であれば、
患部を摘み取るだけで症状が拡大するのを防ぐことができます。
すでに症状がかなり進んでいる場合は、やはり薬剤を使った治療が効果的です。
まずは、症状の出ている部分を根本から摘み取ります。
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症状が出ている部分をすべて摘み取ったら、適合する薬剤を散布して様子を見ます。
うどんこ病に効果のある、シクラメンにも使える薬剤には、
ダコニール1000やアーリーセーフ、カリグリーン、ベニカXスプレーなどがあります。
薬剤を使用する場合は、事前に使い方をよく読んでから散布するようにしましょう。
■参考
・シクラメンの育て方 12月
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方