シクラメンの香り
水耕栽培にしたシクラメン、良い香りがします!
シクラメンの花には、香りがあるイメージでしょうか?
「シクラメンのかほり」布施明:歌、小椋佳:作詞作曲という名曲があり、
その影響でシクラメンには香りがあると思うかたも多いかもしれません。
実際には、シクラメンには、香りのするものとしないものとがあります。
では、香りのあるシクラメンのないシクラメンの差はなんなのでしょうか。
また、シクラメンの香りとは、どのような香りなのでしょうか。
[シクラメンの香り]
■品種改良で失った香り
近年、店頭に並んでいるシクラメンの中には、香りのないものが多いです。
戸外で楽しむガーデンシクラメンには、ほぼ香りがありません。
実際にお店に並んでいるシクラメンを嗅いでみても、なんの香りもしません。
何か香りがしたとしても、花の香りと聞いて想像するようなものではなく、
少し粉っぽいような香りがするだけです。
室内で楽しむ大輪咲きの品種でも、芳香性のあるものは少ないです。
シクラメンは、原種の中の1つであるシクラメン・ペルシカム、
という品種をメインとして、品種改良が重ねられてきました。
現在販売されている、シクラメンの園芸品種のほとんどは、
このシクラメン・ペルシカムが元となっています。
では、このシクラメン・ペルシカムに香りがないから、
今あるシクラメンも香りがないのかというと、そうではありません。
シクラメン・ペルシカムには、スズランのような少し甘い香りがあります。
ところが、品種改良をする上で、最初は香りではなく、
花の大小や姿に注目が集まり、香りは残らず、花姿のみが改良されていきました。
そのため、ほぼ香りのない品種が多くなっていったのです。
ハイドロカルチャーのガーデンシクラメンも上品な香りです
■芳香性のある品種
当初、注目されなかった香りにも、徐々に注目が集まるようになっていき、
現在では、いくつかの芳香性のある品種が販売されています。
例えば雪印種苗の「孤高の香り」や「天女の舞」など、芳香シクラメンのシリーズです。
他にも、サントリーフラワーが販売している、青いシクラメンのシリーズでの、
セレナーディアの「アロマブルー」にも芳香があります。
いずれの品種も、あたり一面に香りが漂うような強い香りではなく、
近くに寄るとほのかに香るような、上品な香りです。
シクラメン・ペルシカムのような、少し甘いスズランのような香りや、
スミレのような香りなど、品種によって少しずつ香りにも違いがあるようです。
香りが強すぎず、リビングやダイニングなど、
生活をする場所に置いていてもちょうど良い香りです。
寄せ植えにしたガーデンシクラメンも香ります、
*同じ花屋さんで入手したシクラメンは、
品種名がありませんがすべて香るので、今度理由を訊いてみますね
■運命の出会い
秋になると店頭に並ぶガーデンシクラメンのほとんどは、香りはありません。
ところが、ごく稀に芳香性のある株が混ざっている場合があります。
同じ品種のガーデンシクラメンなのに、香りがあるものとないものがあるのです。
しかも香りの強いガーデンシクラメンはとても少なく、
お店に並んでいるガーデンシクラメンすべてを調べてみても、
香りのある株を見つけられないこともあるほどです。
香りの強い株は、おそらくは先祖返りをしている状態だと思われます。
一般的に、ガーデンシクラメンは種から栽培するのですが、
品種改良を重ねた結果、必ずしも親と完全に同じ性質ではない場合が出てくるのです。
偶然でも、香りのあるガーデンシクラメンに出会えたら、それは運命かもしれません。
■参考
・原種シクラメンの育て方
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え