原種シクラメン 庭植え
原種シクラメンは可憐で堅強な美しい花です
品種が多く、花や葉の形、色などが、さまざまでコレクターも多いです。
一般的なシクラメンと花期が異なり春や秋に咲く品種があるのも魅力的です。
そんな原種シクラメンを、庭で育ててみたい!
けれど難しそうと思ってはいませんか?
原種シクラメンも、品種を選んで適切な手入れをすれば、
庭植えで、じゅうぶん楽しむことができます。
[原種シクラメン 庭植え]
■原種シクラメンの庭植え
シクラメンは、室内で楽しむ大型のシクラメンのイメージが強いためか、
戸外で庭植えにするには適さないと思われていることが多いようです。
けれど、原種シクラメンは、環境さえ合えば管理も楽で、庭植えに適しています。
品種によって花の形や大きさ、葉の柄などがまったく違うので、
品種違いを植えることで、変化を楽しむこともできます。
また、原種シクラメンは、花後の花ガラを摘まずにしておくことができる、
できた種を虫が運び、庭の思わぬ場所から芽が出ることもあるのも楽しいです。
去年購入したコウムたち、鉢で元気になるまで育てました
■庭植えに適した品種
原種シクラメンが庭植えに、適した品種とそうでない品種があります。
というのも、原種シクラメンは分布が広いため、
寒さや暑さに強いものと弱いものがあるのです。
日本の気候に合っている品種の代表としては、
ヘデリフォリウムやコウムがあげられることが多いです。
これらの原種シクラメン以外にも、コルチカムやプルプラセンス、
シリシアム、インタミナム、ペルシカムなど、
日本の環境に合いやすい品種はたくさんあります。
こういった日本に合う品種以外の原種シクラメンでも、
霜よけをすることで、庭植えが可能になるものもあります。
ただ、中には季節によって好む環境が違っていたりして、
どうしても庭植えのまま好む環境を維持するのが難しい品種があります。
そういった品種は、鉢植えにしておいた方が管理がしやすくなるので、
庭植えにせずに育てるようにします。
まずは自分が育てたい原種シクラメンの品種を調べ、どのような環境を好むのか、
庭植えにして育てることができるのかを確認しておきましょう。
明るい日陰や半日陰を好みます
■庭植えに適した場所
原種シクラメンは、ガーデンシクラメンのように、
日が一日中当たる場所よりも、明るい日陰や半日陰を好むものが多いです。
塊茎の乾燥を嫌う品種も多いため、日差しが強すぎる場所は避けた方が良いです。
生育期の間は、1日の日照時間が数時間ていどの場所が最適です。
また、暑さが苦手なものや、乾燥に弱いものも多いので、
夏の間は明るい日陰~日陰になる場所が良いでしょう。
同じ敷地内でも、少し場所が変わるだけで、環境が変わることがあるので、
植え付ける前に、その場所の環境をチェックしておきましょう。
塊茎が乾燥しないようにと、土が湿りやすい場所に植えるのは良くありません。
ガーデンシクラメンなどと同じように、
原種シクラメンも、原則としては水はけの良い土を好みます。
塊茎を乾燥させないという意味は、土から塊茎が剥き出しにならないということで、
常に用土が湿気ているということではありません。
特に温暖地~暖地は、夏に高温多湿となることが増えるので、注意が必要です。
寒さに少し弱いために、庭植えが適していないとされている品種でも、
簡単な霜よけをすることで、庭植えが可能になることがあります。
軒下など屋根のある場所や壁際など、霜がおりにくい場所に植え付けたり、
株元をマルチで覆って霜よけをすることで、簡単な防寒となります。
個性のある品種がいっぱいです
■植え付け時期
原種シクラメンを庭植えにする場合、植え付けるのは休眠が明ける頃です。
鉢植えにする場合は、休眠してすぐに植え付けることが多いので、
この違いには注意が必要です。
休眠してすぐに庭植えにすると、休眠中に高温多湿となり、枯れる確率が高くなります。
そのため、できるだけ休眠が明ける直前に植え付けることで、
株を傷めずに生育を再開させることができるのです。
少し寒くなってから植え付けを行った場合は、うまく根付けないことがあります。
原種シクラメンは、基本的にとても丈夫なので、
きちんと根付いていなくても、そのまま生育を続ける場合があります。
ただ、きちんと根付いた時に比べると、耐寒性が劣るため、
本来は防寒が必要ない品種であっても、簡単な霜よけをしておいた方が安心です。
■植え付け方とマルチ
ガーデンシクラメンなどは、塊茎の頭を土から少し出して植え付けます。
けれど、原種シクラメンは、土から頭が出ない程度に植え付けることが多いです。
これは塊茎が乾燥してしまうのを防ぐためと、
新芽や根の出方がガーデンシクラメンなどと異なるためです。
ガーデンシクラメンなどは、
新芽が塊茎の上部中央から出て、根は塊茎の下部から出ます。
ところが、原種シクラメンの場合は、
塊茎の横から新芽や根が出る品種が意外と多いのです。
塊茎の頭が出るように植え付けてしまうと、
塊茎の横から根が発生した場合、根が露出して傷んでしまいます。
反対に、ガーデンシクラメンと同様に、塊茎を少し出して浅植えにする品種もあります。
品種によって好みの深さが異なるので、植え付け前に調べておくようにしましょう。
庭植えを予定している原種シクラメンの塊茎が小さい場合、
そのまま庭植えにしてしまうと、著しく塊茎が傷んで枯れることがあります。
念のため、塊茎がある程度まで大きくなるまで、2年~3年ほどは鉢植えで育てます。
大きく立派に育った塊茎であれば、庭植えにしても傷みにくくなります。
原種シクラメンは、植え付けの塊茎の高さが様々です
■庭植えでの寿命
庭植えにして育てていると、なぜか鉢植えよりも寿命が短くなるものが多くなります。
鉢植えなら10年くらいはもつものも、
庭植えだと5年~6年と、寿命が半分くらいになるものも少なくありません。
ただ、原種シクラメンは、しっかりと根付いてしまった後は、
古い葉や花柄を摘む作業が不要となる場合があります。
花ガラを放っておくことで、種ができやすくなり、
熟した種を虫や小動物、風などが運びます。
そのため、最初に植え付けた株が5年ほどで枯れてしまっても、
その間に運ばれて発芽した株が花を咲かせ、株が少しずつ増えて行きます。
■参考
・原種シクラメンの育て方
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え