シクラメン 葉っぱばかり
シクラメンの苗や鉢植えを買った時は、
花もたくさん咲いていて、葉も程よくついていて美しい状態です
ところが、持ち帰って時間が経過すると、
だんだんと花数が減ってきて、葉っぱばかりになってしまうことがあります。
シクラメンが葉っぱばかりになってしまうのには、何か原因があるのでしょうか。
[シクラメン 葉っぱばかり]
■シクラメン 葉っぱばかりになる原因
シクラメンは冬の鉢花の女王であり、
草花が少なくなる冬の庭を彩る大切なアイテムでもあります。
そんなシクラメンが、葉っぱばかりで花が咲かないのは、とても寂しいです。
本来は気候があえば晩秋~春まで、
長い期間絶え間なく花を咲かせるはずのシクラメンが、
なぜ葉っぱばかりになってしまうのでしょうか。
日照不足と肥料過多のシクラメン
1.日照不足
葉っぱばかりになっているシクラメンをよく見た時に、
最初よりも葉が大きくなってはいませんか?
葉が大きくなっているということは、光をそれだけ多く取り込もうとしているということです。
つまり、葉が大きくなっている=日照不足ということになります。
もちろん、最初よりも株が充実して、葉が大きくなったということもあります。
けれど、最初の葉に比べて倍以上の大きさになっていたり、
葉柄がやたらと長くなっている場合は、日照不足と思って間違いないでしょう。
シクラメンは室内で管理することが多いため、
日光があまり必要ないと思われていることがありますが、まったくの間違いです。
どちらかというと日当たりの良い場所を好み、
日照不足になると、新し出てきた芽が健全に育たず、
花数が極端に減ったり、葉が大きくなったりといった症状が出ます。
また、花芽がまだ小さい新芽の時に、
葉が邪魔をして光がうまく当たらず、日照不足となるケースもあります。
時々、葉組みという作業を行い、大きな葉を外側に寄せ、
隙間をあけて中心に光が入るようにしておくと良いでしょう。
肥料切れと日照不足で葉色が薄くなり徒長しています
2.肥料切れ
シクラメンは長期間、絶えず花を咲かせるため、その分肥料が必要となります。
肥料切れを起こすと、新芽がうまく育たなかったり、
葉に花が埋もれて見えなくなることがあります。
花が咲いている間は、定期的に追肥を行うようにしましょう。
1週間に1回のペースで液体肥料を与え、必要であれば置き肥を併用するのもお勧めです。
ただし、肥料が必要といっても、一度に多量の肥料を与えるのは危険です。
濃度の高い液体肥料や、基準よりもたくさんの置き肥をすると、
土中の肥料濃度が高くなりすぎてしまい、根を傷める原因となります。
根が傷むと、水分や養分をうまく吸えなくなり、余計に調子を崩すこととなります。
肥料切れを起こしてしまったとしても、突然濃度の高い肥料を与えるのではなく、
基本通りに薄めた液体肥料か、やや薄めに作った液体肥料を与えて様子を見ます。
調子が戻ったら、必要と思われる分の肥料を与え、肥料が切れないように管理を続けます。
適切な肥料を与えていると、花も葉も調子が良いです
3.肥料の種類が間違っている
肥料の成分には、おもに窒素・リン酸・カリが含まれています。
この3つの要素は、肥料の種類やメーカーによって、配分が変わります。
シクラメンに合う肥料の配分とは違う配分の肥料を与えていると、
花が咲かず葉っぱばかりが茂ることもあります。
肥料成分にはそれぞれ役割があり、窒素は葉や枝を育てる成分、
リン酸は花や実を育てる成分、カリは根を育てる成分とされています。
そのため、窒素が過剰になると、花が咲かずに葉だけが育つこととなるので、
与える肥料の成分には注意が必要です。
シクラメンには、窒素・リン酸・カリが同等になっているものか、
カリが少し多めのものを与えるのがお勧めです。
気温が高く休眠の準備を始めたシクラメン
4.気温が高い
シクラメンは寒さに弱いイメージがあるため、
暖かい場所を好みそうですが、そうとは限りません。
シクラメンの生育適温は、だいたい10度~20度です。
ガーデンシクラメンであれば、もっと低い温度でも栽培が可能ですが、
室内管理の大輪種やミニシクラメンの場合は、この温度が基本となります。
これよりも高い温度の場所に置いていると、
シクラメンが夏と勘違いして、休眠の準備を始めてしまいます。
休眠の準備が始まると、花芽を出すよりも、球根を育てる方に体力を使うようになります。
そのため、花数がぐんと減って、葉っぱばかりになってしまいます。
そのままの環境で管理を続けると、葉っぱもしだいに枯れていき、
ついには球根だけが残って完全な休眠状態となってしまいます。
冬は室内で暖房を使っていることも多く、
人間が思っている以上に室温が高くなっていることもよくあります。
暖房を効きすぎないように調節し、
暖房器具の熱や風が直接当たるような場所は避けるようにします。
これからが花期の原種シクラメン コウム
5.花期が遅い品種
シクラメンの苗や鉢植えが販売され始めるのは、だいたい10月頃からが多いです。
お店に並んだシクラメンは、どれも花がたくさん咲いていますが、
自分で夏越しさせたシクラメンは、11月に入っても花が咲かず、
葉っぱばかりが茂るということがよくあります。
お店で早い時期から開花しているものは、
ナーセリーで早くに花を咲かせるよう、管理されていたものです。
そのため、購入して2年目以降は、シーズンに入ってもなかなか花が咲きません。
遅いものであれば、2月頃から開花が始まる場合もあります。
夏は暑いため、シクラメンは休眠します。
その後、9月になって少し涼しくなってくると、少しずつ活動を始めます。
この時に発生した花芽は、花が咲くまでにかなりの日数が必要となります。
だいたい、80日~90日ほどの日数が必要となるため、
9月の頭にできた花芽でも、11月に入らなければ花は咲かないという計算になります。
花芽が出る時期が遅くなれば、それだけ花が咲き始める時期も遅くなるので、
もしかすると葉っぱばかりで花が咲かないと思っているシクラメンも、
まだ蕾が熟していないのかもしれません。
葉をかきわけて中を見た時、蕾がきちんと生長しているようであれば、
特に問題はありません。
花芽がきちんと生長できるよう、水やりや追肥、
日当たりの管理をしっかりと行えば、必ず美しい花を咲かせます。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え