シクラメン プルプラセンスの育て方
プルプラセンス C)ペットエコ&ザガーデン楽天市場店
■原種シクラメン プルプラセンス 栽培データ
学名 cyclamen purpurascens
形態 多年草
原産地 ヨーロッパ(アルプス山脈周辺に広く分布)
草丈/樹高 10cm~15cm
開花期 6月下旬~10月上旬
花色 白、赤紫、薄紫
香り 強い(バラのようなフローラルの香り)
栽培難易度(1~5) 3
耐寒性 強い(-10度くらいまで)
耐暑性 やや弱い(真夏の強い日差しは避ける)
耐乾性 弱い
特性・用途 鉢植え・庭植えが可能、香りが楽しめる
[シクラメン プルプラセンスの育て方]
■シクラメン プルプラセンスの育て方
・プルプラセンスの特徴
プルプラセンスは「紫色の」という意味があります。
そのため、花色は赤紫色をしていることがほとんどです。
同じ赤紫色でも、株によって濃淡が違うので、
好きな濃さの花色と葉の組み合わせを探す楽しみがあります。
赤紫色の他に、白花もあります。
花びらは細長く、口元が角張っている上に、
花茎も細く繊細なので、スリムでスタイリッシュな印象があります。
白花は、花全体が真っ白なわけではなく、
花の中心部分には、少しピンクが入るものが多いです。
白花は赤紫色の花のものよりも性質が弱く、
生長が遅いため、少し育てにくいところがあります。
シクラメンは無臭のイメージが強いですが、
こちらは素晴らしい香りを持っています。
原種らしい可愛らしさ、スッキリとした花形、変種の多い常緑の葉、甘い香りと、
プルプラセンスには魅力が詰め込まれています。
葉は丸みを帯びたハート型をしていて、
斑の柄の変種も多いため、各種を育てたくなります。
葉の裏はミラビレのように赤みを帯びるものが多く、
中には葉の表面も薄く色づくものもあるようです。
ただし、葉が大きくなるにつれ、表面の赤みは薄れていってしまいます。
塊茎は楕円形で、表面は薄い茶色をしています。
表面の皮が薄いため、乾燥に弱い性質があります。
年中湿り気を要求するので、乾燥には注意が必要です。
発芽後、2年~3年の間は、塊茎全体から根が発生しますが、
2年~3年後は、湿気が安定している塊茎下部から根のたくさん出すようになります。
・栽培環境
自生していた場所が、常緑樹の林の中で、
腐葉土に埋もれるようにして生育しているため、
直射日光を嫌い、常に湿っている場所を好みます。
常緑種のため、花のない時期も葉が残ります。
そのため、日光に当てる必要があるように思えますが、そうではありません。
生育期であっても、直射日光に当てる時間はごく短い間でだいじょうぶ。
むしろ、夏の間は日差しが強くなるため、
直射日光に当てるのは午前9時までにしておきます。
無理に直射日光に当てる必要がないため、
年間を通して半日陰(遮光率50%~70%)の場所で管理すると失敗が少ないです。
できれば暑く、日差しの強くなる夏は、
午後から日陰(遮光率70%~90%)になる場所で管理し、
風通しの良い涼しい環境を作ってあげるようにしましょう。
塊茎を土に隠れるように植え付けます
・植え付け・植え替え
一般的なシクラメンが休眠期に入る頃から花を咲かせ始めるため、
植え付けと植え替えの時期が異なります。
プルプラセンスの植え付けと植え替えを行うのであれば、4月~6月が適期です。
地植えの場合は、植え付ける場所を20cmほどの深さに掘り返し、よく耕しておきます。
プルプラセンスは湿り気を好みますが、
水はけが悪いと塊茎や根が腐ってしまうことがあるので、
水はけが悪い場合は、鹿沼土や砂などを足して調整しましょう。
水もちが悪いときは、腐葉土や赤玉土を足して調整するようにします。
鉢植えの場合は、鉢底に必ず鉢底石を入れるようにします。
用土は市販されているシクラメン用の培養土で問題ありません。
ただ、シクラメン用の培養土の中には、水はけが良すぎるものがあります。
その場合は、腐葉土や赤玉土を少量混ぜ、水もちの良い土に調整しておきます。
植え替えは、1年~2年に1回のペースで問題ありません。
地植え、鉢植えに共通して、プルプラセンスを植え付け・植え替えする時は、
塊茎が土から出ないように植え付けます。
自生している場所で、腐葉土に埋もれて育つプルプラセンスは、直射日光を嫌います。
その環境に近づけるため、塊茎を土から出さずに、土に隠れるようにしておきます。
ただし、深植えにするのは禁物です。
必要以上に深く植えてしまうと、フローラル・トランクという、
生長点が棒状に伸びてしまう現象が置きます。
こうなると、せっかくの株姿が乱れてしまうので、深植えにならないよう注意してください。
・水やり
プルプラセンスは常緑種のため、休眠期が存在しません。
そのため、季節に関係なく土が乾いたら水を与えるようにします。
特に鉢植えの場合は、地植えよりも土の乾燥が早まるため、
土の状態をこまめにチェックします。
水を与える時は、鉢の底から水が流れ出てくるまでたっぷりと与えるようにします。
花のない冬の間も、土が乾いたら、地植え・鉢植えともに水を与えるようにします。
・肥料
年間を通して葉がある状態のため、10日~2週間に1回くらいのペースで、
薄めに作った液体肥料を与えるようにします。
・年間の過ごし方
・6月~10月
生育期であるこの時期は、暑い日も多いため、
直射日光のほとんど当たらない、風通しの良い場所で管理します。
常緑ではありますが暑さに少し弱いので、
常緑の森の中にいるような、涼しい環境を作ってあげましょう。
夏の間は、毎日水を与えて、熱のこもった土を冷ましてあげるのがお勧めです。
・11月~5月
常緑なので葉は残りますが、新葉があまり展開しません。
見た目が同じなので、水も肥料も不要なように思えますが、やはり必要です。
プルプラセンスの塊茎は皮が薄く、乾燥に弱いため、
涼しい季節や寒い季節であっても、土の乾燥は禁物です。
特に冬の間は、水やりの頻度は少なくなるものの、
乾燥してしまうこともあるので、注意しておきましょう。
寒さには強い(-10度くらいまで)ので、たいていの場合、
特別な防寒対策は必要ありません。
・増やし方
一般的には、種で増やします。
種の採取方法や、種から育てる方法は、他のシクラメンとほぼ同じです。
プルプラセンスは、種を播いてから発芽するまで時間がかかる場合があります。
そのため、半年~1年くらいは諦めずに用土を乾かさないようにしていると、
忘れた頃に発芽することが多々あります。
実生から育てた株は、親株とは違った葉の柄や、
花の色をしている場合がありますが、それも楽しみの1つです。
お気に入りの葉や花の株を選抜し、残していくようにしましょう。
プルプラセンスは、発芽から数年の間は結実しにくい場合があります。
また、10年を越える株も、だんだんと衰えてきて結実しにくくなってきます。
結実できる元気なうちに、種をとって育てておきましょう。
■病害虫
気になる病害虫は特にありません。
■シクラメン プルプラセンス 育て方のコツ
1.直射日光には極力当てないようにしましょう
2.1年中、水を切らさないように注意が必要です
3.深植え・浅植えにならないように植え付けます
■参考
・原種シクラメンの蕾が! ←栽培記録
・シクラメン コウムの育て方
・シクラメン ヘデリフォリウムの育て方