シクラメン 育て方が難しい?
去年の12月から車道沿いに植えられていたシクラメン
なんと戸外で越冬、夏越ししました!
しかし、秋にほかの花に植え替えられていました……
シクラメンは、冬の鉢花の女王として、昔からとても人気の高い植物です。
見た目が豪華で、部屋に置いてあるだけで雰囲気が華やぎます。
プレゼントとしても喜ばれます。
豪華で贈答用としても見栄えのするシクラメンですから、
栽培がとても難しいと思ってはいませんか?
確かに長く栽培して楽しむためには、コツが必要です。
けれど、シクラメンを育てるために必要な手入れは、難しいものではありません。
手入れを行うタイミングや、シクラメンの好む環境を作ってあげることができれば、
初心者の方でも十分育てられ翌年も花を楽しめます。
[シクラメン 育て方が難しい?]
■シクラメンの育て方で難しいことは?
シクラメンを育てるのが難しいと感じたり、失敗を重ねる原因の1つには、
シクラメンの性質を理解できていない場合が、意外と多いです。
シクラメンは室内で花を観賞して楽しみますが、
観葉植物として人気のあるカポックやポトス、
モンステラなどのように、耐陰性はありません。
むしろシクラメンは日向の方が好きで、日照不足になると、
調子が悪くなってしまい、そのまま枯れてしまうこともあります。
冬の間は寒さをしのぐため、室内での管理が増えているだけなのです。
シクラメンの性質を知り、好む環境を理解して整えれば、自然と長持ちします。
・温度の管理
シクラメンは耐寒性も耐暑性もあまりありません。
上限は25度くらいで、下限は5度くらいまでです。
けれど、シクラメンが一番生育しやすく、花が咲きやすい気温は、15度~20度です。
また、日中と夜間の気温差が10度くらいの環境が、もっとも過ごしやすい気温です。
冬の戸外はとても寒く、シクラメンには耐えられません。
そのため、室内に取り入れて観賞するとともに冬を過ごします。
ところが、この安全なはずの室内で、意外とシクラメンはダメージを受けます。
というのも、冬は人にとっても寒いので、暖房をつけます。
暖房を使った室内は、温度が高くなりやすく、20度を超えることはよくあります。
寒がりの人であれば、25度をキープしていることもあるのではないでしょうか。
25度以上になると、シクラメンは夏がくると勘違いして、休眠に入ろうとします。
葉が黄変して枯れたり、花数が急激に減るという症状が出始めます。
この時に、寒さで弱っていると勘違いし、
さらに暖かい場所に移すと、完全に地上部が枯れてしまいます。
暖房の風が当たらない場所に置き、
できれば室温が20度を超えないような場所で管理しましょう。
日が当たっていると長期間咲き、丈夫な株になります
*フィルムは猫除けです
・日当たりの確保
シクラメンは日光浴が大好きです。
特に生育期である秋~春までの間は、
日当たりの良い場所で管理した方が、花数も増えて株も充実します。
寒い時期に室内に置く場合も、日当たりの良い窓辺で、
できれば直射日光の当たる場所がお勧めです。
日差しが苦手だと勘違いして、日当たりの悪い場所に置いていると、
だんだんと元気がなくなっていきます。
冬でも、日中の気温が10度を超える暖かい日は、戸外に出して日光浴させましょう。
室内よりも戸外の方が日当たりが良いので、日照不足を解消することができます。
ただし、午後3時を過ぎたら、すぐに室内に取り込みましょう。
夕方は急激に冷え込んでくるため、戸外で放っておくと寒さで枯れてしまいます。
・水の管理
シクラメンを見た時、水をたくさん欲しがる植物に見えますか?
それとも、乾燥した環境を好む植物に見えますか?
正解は、過湿も過乾燥も嫌います。
シクラメンは過湿状態になると、根腐れを起こしたり、球根が腐ったりします。
また灰色カビ病という病気の原因になることもあります。
反対に乾燥しすぎてしまうと、生長に必要な水分が足りなくなり、
葉がしおれたり、枯れたりする症状が出ます。
シクラメンを植え付ける時は、必ず水はけの良い土を使います。
水もちの良すぎる土だと、いつまでもじめじめと湿っているため、根に良くありません。
購入したばかりのシクラメンは、鉢と鉢皿が合体した、
底面給水鉢と呼ばれる鉢に植えられていることが多いです。
底面給水鉢は、鉢皿に水を溜めておくことで、
鉢の中を適湿に保つことができる優れものです。
ただ、水を溜めているから大丈夫と世話を怠っていると、
うっかり水切れを起こすこともあるので要注意です。
普通の鉢に植えられているシクラメンの場合は、土の表面が乾いたら水を与えます。
水を与える時は、必ず鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与え、
鉢皿に残った水は捨てるようにします。
・肥料の管理
シクラメンの株を充実させ、花数や葉数を増やすためには、
肥料切れさせないようにする必要があります。
けれどここで勘違いしやすいのが、肥料を与えれば与えるほど良いと考えることです。
濃度の高い液体肥料を与えたり、大量の置き肥をするのは、
シクラメンにとって良くありません。
ほとんどの植物が多肥は苦手です。
むしろ調子が崩れてしまい、最悪の場合には枯れてしまいます。
くれぐれも与えすぎには注意しましょう。
・夏越しの工夫
シクラメンは、冬の寒さよりも夏の暑さの方が苦手です。
夏越しを成功させれば、次のシーズンもまた花を楽しめます。
自分で夏越しさせた株は、購入直後よりも愛着がわき、大切な存在となるでしょう。
けれど、夏越しは難しそうに感じますね。
シクラメンは丈夫な植物で、品種改良のおかげもあり、
きちんと管理してあげれば、意外と簡単に夏越しできることも多いです。
ポイントは、休眠するか非休眠するかによって異なります。
夏越しのポイントを守ることができれば、来シーズンも美しい花を期待できます!
■シクラメンの栽培に失敗したら
シクラメンの育て方をよく読んで実践していても、枯れてしまうことはあります。
枯れてしまった時は、なぜ枯れたのかを探ってみましょう。
原因が見つかれば、次のシーズンはそれに気をつけて手入れします。
近年は、非休眠のほうが夏越ししやすく感じます。
いろいろな条件を整えてチャレンジしてみると、素晴らしい花たちにまた出会えます。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え