シクラメン 梅雨対策
梅雨の時期は、鉢と鉢との隙間をもっとあけてあげましょう
シクラメンにとって、梅雨の時期は厳しい季節となります。
もともと高温や湿度の高い環境が苦手なため、
初心者の方は梅雨の時期に栽培に失敗することも多いようです。
冬の間はよく花を咲かせ、春には塊茎の生長を見せて元気だったシクラメンが、
梅雨に入ったとたん元気をなくすことも少なくありません。
花が終わった後も良い状態を維持し、
夏越しの準備を整えられるようにしておきましょう。
[シクラメン 梅雨対策]
■梅雨時期のシクラメンの様子
日本の梅雨の時期は、だいたい6月中旬~7月中旬頃です。
1ヶ月もの間、雨が降り続いて湿度が上がり、気温もやや低くなることもあれば、
急な晴れ間があって日差しが強くなり、気温が高くなる日もあります。
中には晴れてはいないものの、雨も降っていないために気温が下がらず、
むしろ湿気が高いために気温が高く感じる日もあります。
じめじめとした環境は、シクラメンにとっては辛いものです。
梅雨の時期の間、シクラメンは塊茎をまだ育てている最中か、
夏に向けて休眠の準備を始める頃となります。
長く咲いていた花も、もうほとんど咲いていることはありません。
梅雨に入る頃はまだ葉が残っていた株も、
気温の上昇とともにだんだんと葉を減らしていきます。
梅雨の湿気や高温により、急激に調子を崩してしまうと、
病気が発生したり、カビがはえたり、塊茎が腐ったりして、夏越しが難しくなります。
■置き場所
花期である冬の間は、室内に置いて管理しますが、春以降は戸外で管理します。
3月~4月頃の柔らかい日差しの頃は、直射の当たる場所に置いて、
たっぷりと日光浴をさせておきます。
ただ、梅雨の間は雨の日が多くなります。
この時、雨に当たる場所に置いたままにしておくと、
塊茎が濡れたままになり、傷みやすくなります。
軒下など、雨の当たらないところに置いておくことで、
雨に当たって濡れたままになるのを防ぐことができます。
また、気温も高く晴れ間には日差しが強くなることもあるので、
直射日光が当たる場所は避けるようにします。
曇の日や雨の日は、太陽が出ていないので問題ありませんが、
雨の合い間に突然晴れることもあります。
この時、直射日光の当たる場所に置いたままにしておくと、
葉焼けの原因になったり、土の中が高温になり根や塊茎が痛む原因となります。
晴れた時に直射の当たらない、明るい日陰のような場所に置くことで、
直射日光による傷みを予防できます。
このくらいしっかりとしていれば、梅雨を越せます
■雨、湿気対策
梅雨といえば、雨や高い湿気が悩みの種となります。
まず雨ですが、水やりの頻度が下がるから良いのでは?
と考えることがありますが、そうではありません。
土が乾燥している時に雨が降れば、もちろん水分補給にはなります。
けれど、毎日しとしとと雨が降り続いている場合はどうでしょうか。
シクラメンは、土が常に濡れた状態が続くと、根や塊茎が傷みやすくなります。
塊茎の中心がややへこんでいることも多く、そこに水が溜まったままになると、
カビが発生する原因にもなります。
水を与える時も、葉や花、塊茎には直接かからないように注意するので、
上から降ってくる雨に当て続けるのは良くないことです。
かといって、すでに気温が高くなっているので、
室内に取り込んでおくのも避けた方が良いでしょう。
できれば、雨が降っている間は、軒下など雨の当たらない場所に置き、
土が乾いた時にだけ水を与えるようにします。
それから梅雨といえば、高い湿気です。
じめじめとした空気は、人間も嫌なものです。
できるだけ湿気をこもらないようにするためには、やはり風通しです。
戸外の置き場所も、風通しの良い場所を選ぶようにします。
ベランダなどで育てている場合、雨に当てないようにと、
ベランダの隅に置いてしまうことがありますが、
隅は風通しが悪くなるため、湿気がこもりやすくなります。
また、複数の鉢を育てている場合、置き場所が狭いからと、
鉢と鉢とを隙間なく置くことがありますが、これも良くありません。
鉢同士がくっつくほどだと、シクラメンの葉と葉が触れあうほどの近さです。
これでは株間がほぼない状態となるため、風通しが悪くなります。
これほど近くに置いていると、どこかから病害虫が発生した場合、
すぐに蔓延してしまうことになります。
複数の鉢を並べて置くときは、
最低でも葉と葉が触れあわない程度に離しておくようにしましょう。
雨に打たれて、具合の悪くなった株です
■休眠準備
シクラメンは、夏を休眠状態で過ごします。
完全に休眠する場合、地上部の葉はすべて枯れてしまいます。
生育が止まるだけで、休眠しない場合は、地上部に葉は残ります。
どちらの状態で夏越しするかは、育てている環境によって異なります。
また、残念ながら夏前に調子を崩して夏越しが難しくなる株も出てきます。
そういった株は、ただ単に調子が悪いだけなのか、
それとも病気にかかっているのかを見極める必要があります。
・夏越しできない株
梅雨に入った頃くらいから、調子を崩してしまうシクラメンが出る場合があります。
片側の葉だけが黄変したり、土が湿っているのに葉がぐったりと倒れているもの、
塊茎が柔らかくなってカビがはえているものなどは、
萎凋病や軟腐病、灰色カビ病などにかかっている可能性があります。
シクラメンがかかる病気は、空気感染などによって周りに広がります。
調子が悪くなっているもの、様子がおかしいものは、
残念ですがすぐに処分しておいた方が良いでしょう。
そのまま置いていても夏越しできる可能性が非常に低い上に、
周りの健全なシクラメンにまで病気が伝染することがあるためです。
・休眠と非休眠
梅雨に入る頃、葉の数が10枚以上なら非休眠での夏越しが可能です。
反対に10枚以下になっている株は、休眠準備に入っているため、
6月中旬頃から水を切って休眠を促します。
葉の数が10枚以上残っている場合でも、休眠状態で夏越しさせたい場合は、
6月中旬から水を切ることにより、強制的に休眠させることができます。
10枚以下になっている場合は、非休眠での夏越しはできません。
■参考
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・シクラメン 花が倒れる理由は?