シクラメンの休眠とは?
開花期が過ぎたシクラメン
シクラメンの花は4月頃に終わり、葉も枯れてきます。
枯れてしまったと思って、捨ててしまう人も少なくありません。
けれど、シクラメンが春、気温の上昇とともに、
葉を枯らすのは生理的に自然なことなのです。
休眠して夏越しするために葉を枯らしているだけなので、
適切な管理をすれば、夏越しをさせたシクラメンを、
また冬に開花させて、楽しむことができるのです。
ガーデンシクラメンは、私の経験では、
涼しく風通しの良い明るい日陰で、
休眠せずに、比較的容易に夏越しできます。
原種シクラメンは、品種によってさまざまです。
[シクラメンの休眠とは?]
■休眠する時期
シクラメンは、春、4~5月に気温が高くなってくると、
だんだんと花が少なくなってきます。
その後、花がまったくない状態になる頃には、
葉も枯れたり、黄色く変色してくるものが増えてきます。
6~7月頃、ほとんどのシクラメンは、休眠し、
地上部の葉は枯れた状態となります。
シクラメンは本来、乾燥した地方の植物です。
日本のように、初夏以降の気温と湿度が高い場所では、
生育したまま過ごすのが難しくなります。
休眠したシクラメンを、夏の蒸し暑さに負けないように、
腐敗したり、カビを防ぐことが、夏の管理の大きな目標となります。
休眠間近のシクラメン
■休眠のさせ方
6月頃、シクラメンの鉢を、
軒下など、雨が当たらない明るい日陰に置きます。
シクラメンの新しい花芽が出なくなったら、
水を与える量を徐々に減らしていきます。
その後、葉が黄色くなってきて枯れてきたら、
水やりを完全にストップします。
水やりの回数を減らす加減が分からないという場合は、
6月に入ったら、水やりを完全にストップします。
水が切れれば、残った葉も枯れてきますが、
正常な反応なので、気にすることはありません。
ここでかわいそうだと思い、水を与えてしまうと、
中途半端に水切れを起こした状態になり、
カビがはえたり、枯れたりするので注意します。
シクラメンの葉がすべて枯れたら、
雨のかからない涼しい日陰に移し管理します。
水、肥料は、与えずに夏越しさせます。
■非休眠株とは?
休眠した株を休眠株と呼びます。
環境により、葉を残した非休眠の状態になることがあります。
6月に葉が10枚以上残っている株は、非休眠株です。
非休眠株は、風通しの良い日陰で夏越しさせます。
水やりは、やや乾かし気味に行い、
肥料は薄めの液体肥料を月に1回施します。
非休眠株は、休眠株に比べて開花期が1ヶ月ほど早まります。
*非休眠株は、休眠株よりも害虫や病気になりやすく管理が難しいので、
初心者の方は、特に水を切って休眠させる方法をお勧めします。
■休眠から覚める時
8月下旬~9月初旬頃、
シクラメンの休眠株・非休眠株の球根を押してみて、
ぶよぶよせず硬く締まっていれば、夏越しに成功しています。
シクラメンの休眠株、非休眠株が、
夏越しできる確率は、40~60%くらいと難しいので、
もしも成功したら、胸を張って心から喜びましょう!
9月中旬までに植え替えを行います。
植え替えをする頃には、眠っていた根や芽が動き始めています。
球根の上部をよく見ると、小さな芽が出ていることがあります。
植え替え後、水を与えていると、
小さかった葉芽が育って、大きくなってきます。
水を与える時は、球根に当たらないように注意します。
水が中央のへこみ部分に溜まり、傷みの原因になります。
せっかくの夏越しを成功させたシクラメンです、
休眠あけの管理を間違えないようにしましょう。
植え替え後、発芽する球根
◎忘れていた時は?
シクラメンを夏越しさせていたことを、
忘れてしまうこともあるでしょう。
本来であれば、秋に植え替えをするところですが、
忘れていてもそのまま諦めてはいけません。
シクラメンの球根を鉢から抜き、根鉢を崩します。
球根の上部に、新しい芽が出ていたり、
球根の下から新しい白い根が出ていれば、まだ間に合います。
一回り大きい鉢に、清潔な土を使って植え付け、
生育期に行う管理を施します。
うまくいけばそのまま葉を展開し、
2月頃には花を咲かせるようになります。
■参考
・シクラメンの育て方 12月
・シクラメンの育て方 1月
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・シクラメン 花が倒れる理由は?