シクラメン 地植えできる?
シクラメンといえば、冬の鉢花の最高峰、とても人気の高い花です
大輪のシクラメンは、花や葉が大きくて豪華で、室内に置くだけでも見栄えがします。
けれど、シクラメンといえば、鉢植えにして室内管理というイメージがあり、
地植えにして育てるという話はあまり聞きません。
シクラメンは地植えができるのでしょうか。
[シクラメン 地植えできる?]
■地植えは難しい
鉢花として売られる大輪のシクラメンは、結論から言うと地植えがほぼできません。
というのも、シクラメンが耐えられる気温が、あまり低くないからです。
耐寒性があまりないため、冬の間ずっと戸外に置いておくことはできません。
シクラメンが耐えられる寒さは、だいたい5度までです。
5度までなら、なんとか耐えることはできますが、
それでもシクラメンが好む気温とはいえません。
5度以下になると、葉が傷んだり萎れたりしてしまいます。
さらに気温が低くなり、霜がおりたり、土が凍ったりしてしまうと、
葉だけでなく球根が傷み、急速に枯れていきます。
また、シクラメンは夏も苦手です。
シクラメンを夏越しさせるためには、直射を避けて、
できるだけ涼しい場所で管理する必要があります。
また、湿気を嫌うため、風通しの良い場所が必要となります。
冬は寒くなりすぎず、日当たりと風通しが良い場所。
夏は直射が当たらず、風通しがよくて涼しい場所。
この2つを満たせる場所があるのであれば、地植えにすることも可能ですが、
日本ではとても難しいことです。
大輪咲きのシクラメンは、花も大きくて美しく、
外に植えればとても見映えもしそうですが、できないのが残念です。
2年目のガーデンシクラメン、開花しています(2016.10.31撮影)
■地植えが可能なシクラメン
どうしても、シクラメンのあの花の形を外で楽しみたいという場合は、
戸外でも過ごせる品種を選ぶようにしましょう。
耐寒性を高めたガーデンシクラメンやミニシクラメンの一種、
それから戸外での栽培に適している原種シクラメンなどであれば、
戸外で地植えにすることができます。
大輪咲きよりも葉や花のサイズが小さいので、
少し物足りなさを感じるかもしれませんが、
その分、素朴な雰囲気があって、他の植物とも馴染みやすくなります。
群生させれば、物足りなさをは、まったく感じない花数を堪能できますよ。
・ガーデンシクラメン、ミニシクラメン
ガーデンシクラメンは、室内管理が基本のシクラメンに比べると、
耐寒性が高いので、冬の間に花壇で楽しむことも可能です。
株元に敷きワラやバークチップなどのマルチをすることで、
霜などから球根を守り、耐寒性を少し高くすることも可能です。
ただ、夏の直射日光と湿気を嫌うところは、大輪咲きと同じです。
冬の間だけ地植えで楽しみ、春に掘り上げて鉢上げした方が、
夏越しの成功率が高くなります。
ミニシクラメンの中にも、品種改良を重ねて耐寒性を加えたものがあります。
基本的には大輪咲きのシクラメンと同じ環境を好む品種が多いですが、
中には耐寒性が強めのものもあるので、
そういった品種を選ぶことで地植えすることも可能です。
ただし、株元を保護して霜に当てないのがポイントです。
また、夏越しのさせ方も、ガーデンシクラメンと同じように掘り上げ、
鉢の状態で涼しい場所で管理する必要があります。
2年目の原種シクラメン、花芽もできています
・原種シクラメン
原種シクラメンにもたくさんの種類があり、
その中でもお勧めなのが、コウムとヘデリフォリウムです。
この2つは、耐寒性が非常に高く、耐暑性もそれなりにあります。
もちろん、それぞれが好む環境を作ってあげる必要はありますし、
水やりや球根の植え方などにもコツはあります。
けれど、戸外で越冬・夏越しできる貴重な品種でもあります。
他にも日本で育てられる品種はありますが、
コウムとヘデリフォリウムであれば、流通量も意外と多く、手に入りやすいでしょう。
4年目のコウム、こぼれ種からどんどん花が増えています
特に乾燥にもやや強めのヘデリフォリウムは、植え付け時期になれば、
ホームセンターの園芸コーナーでも見かけることがあるほどです。
原種は難しいと思われがちですが、環境が合えば何年も咲かせてくれますし、
年を経るごとに株が育ち、花数も葉数も増え、立派になっていきます。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え