ガーデンシクラメン 雪
ガーデンシクラメンは、戸外でも越冬できるよう、
耐寒性を強く改良されたシクラメンです。
けれど、雪が降るような環境では、
育てるのが難しいのでは？ と思う方は多いでしょう。
シクラメンの中では耐寒性が強いといわれるガーデンシクラメンは、
雪に耐える力があるのでしょうか。
また、雪への対策は、どのようにしたら良いのでしょう。
[ガーデンシクラメン 雪]
■寒さと日陰
ガーデンシクラメンには耐寒性があるといっても、
生育に問題なく耐えられるのは0度までです。
マイナス5度くらいまでであれば、生育が緩慢になったり、
冷害によって葉や花が傷むことがあっても、枯れることはありません。
雪は意外と暖かく、完全に積もって株が埋まってしまえば、
寒風に当たるよりは、環境が良いと言われます。
雪の重みで花が倒れてしまい、花茎が折れてしまうことはありますが、
次に発生する新芽がしっかりと育てば、大きな問題にはなりません。
ところが、雪の下では寒風を防げるものの、日光も遮断してしまうため、
あまり長期間雪の下に埋もれていると、日照不足の症状が出始めます。
ガーデンシクラメンは日当たりの良い場所が好きなため、
日照不足になると、生育不良や不調に陥るようになります。
年に数回雪が降り、数日で溶ける程度であれば、
戸外での管理は可能ですし、花壇などへの植え付けは可能です。
ただ、雪が1週間以上積もったままになるような地域や、
寒風が吹き荒ぶような場所では、戸外管理が難しくなります。
完全に雪に覆われたほうが、植物にとっては暖かいのですね
■雪より寒風と霜に注意
ガーデンシクラメンが生育できる気温だったはずなのに、
なぜか調子を崩して枯れてしまうことがあります。
原因はさまざまありますが、寒風と霜にあたるのが特に問題です。
真冬の低温期、風の強い場所は、ガーデンシクラメンにとって極寒の場所となります。
強風の当たる場所は、それだけで耐寒温度がどんどん下がります。
さらに水を与えた日、夕方以降の気温が下がる時間帯になっても、
土に水気が残っていると、あっという間に土が凍ってしまうこともあります。
土が凍ってしまうと、地下にある塊茎や根が傷み、
それが致命傷となってガーデンシクラメンは急速に枯れてしまいます。
また、土が凍ることによってできた小さな傷から病原菌が入り込み、
病気にかかってしまうことも少なくありません。
霜がおりる時にも同じことがいえるので、寒風と霜には注意が必要です。
■雪対策
ガーデンシクラメンは、あまり草丈のある植物ではありません。
そのため、雪がもし積もっても、茎や花が大きく損傷することはありません。
多少の折れがあったとしても、その後の手入れしだいで回復は可能です。
注意すべきなのは、雪が降った時や、積もっていた雪が溶け始めた時です。
雪が株を覆っている間は、寒風を防ぐことができますが、
溶け始めると、土や葉が濡れた状態のまま寒風に当たることになります。
寒風で凍ってしまい、株を傷めてしまうことがあります。
葉が多少凍るくらいなら構いませんが、土が凍るのは予防したいです。
・寒さに耐えられる株作り
ガーデンシクラメンは、耐寒性が強くなるように改良されています。
けれど、管理法によっては、耐寒性を弱くしてしまうこともあります。
できる限り耐寒性を強くするための管理法を知っておきましょう。
1. 植え付けは適期に
ガーデンシクラメンの苗自体は、秋になると店頭に並び始めます。
ところが、苗の出始めはまだ気温が下がり切っておらず、日中は暑いことも多いです。
この時期に植え替えをして日当たりの良い場所に置いていると、株が傷んでしまいます。
ある程度気温が下がり、日中の暑さが和らいでから植え付けるのがポイントです。
植え付け時期を遅らせすぎると、今度は寒さが厳しくなるまでに根を張れず、
耐寒性を強めることができなくなってしまいます。
厳寒期が訪れる前に、しっかりと根を張らせておくことで、
ガーデンシクラメンの耐寒性は上がります。
11月中旬くらいまでに植え付けが終わっていれば、
しっかりと根を張ることができるのでお勧めです。
原種シクラメンにも、バークチップを敷きました
2. 管理は厳しめに
ガーデンシクラメンを育てるために、手入れは必要です。
けれど、あまりにも大切に育てていると、厳しい環境に耐えられなくなります。
厳寒期前に、ある程度寒さに当てるのも、耐寒性をつける方法として有効です。
寒くてかわいそう、ではなく、寒さに慣らしておくようにしましょう。
・株元を守る
水やりや雨、雪解けなどで、土が濡れてしまうのは仕方ありません。
土が濡れている時に、できるだけ凍らないようにしてあげるのが重要です。
株元や土の上に、ワラやバークチップなどマルチングを敷くことで、
寒風が直接土に当たらなくなり、根を守ります。
土が凍りにくくなり、土が湿っている時でも、塊茎や根を傷めにくくなります。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は？
・シクラメン 室内の育て方は？
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え
