シクラメン ホコリダニ
シクラメンホコリダニは、
気付いた時には被害が大きくなることの多い害虫です
ホコリダニの被害にあう可能性はけっこう高いので、
あらかじめ注意しておくと安心です。
まずは予防し、被害が軽いうちに対処するのが一番ですのでご紹介します。
[シクラメン ホコリダニ]
■発生時期と状況
シクラメンホコリダニは高温乾燥の環境を好み、発生が多くなるのは初夏~秋です。
ただ、梅雨の間は湿度が高くなるため、一時的に発生が減ります。
冬は寒さで発生が少なくなるはずなのですが、室内栽培の場合では、
室温が高くて乾燥した環境だと、発生するケースがあります。
シクラメンホコリダニは、0.2mm~0.4mmほどのとても小さなダニです。
顕微鏡や虫メガネなどで拡大して見ると、クモのような形をしていますが、
肉眼では形までははっきりとわからないことが多いです。
また、体が小さいため、シクラメンホコリダニ自体に気づくのも少ないです。
どちらかというと、食害された部分に異変が起き、
それを見て寄生されていることに気づきます。
シクラメンホコリダニは、汁を吸うタイプの害虫です。
基本的には葉の裏につき、柔らかい表層組織に、
ストローのようになった口を差し込んで、汁を吸います。
数が増えて吸われる箇所が増えると、
葉の裏側は硬くなり、コルク状に変化していきます。
その影響で、葉の表面にはでこぼこができたり、
引きつれたような状態になっていきます。
また、シクラメンホコリダニは、新芽など組織が柔らかい部分を吸うため、
すでに大きく育って硬くなった葉の裏にはあまりいません。
新芽に近い部分に潜み、かなりよく観察していないと、見つけることが難しいです。
シクラメンホコリダニは、吸汁するために差し込んだ口から、
生育を阻害する物質を流し込みます。
そのため、吸汁された部分の細胞が変形し、葉や花が奇形となることがあります。
花茎が吸汁された場合は、本来よく伸びる花茎が短いままで止まり、
葉の下など低い位置で開花することがあります。
開いた花の花弁に、染みにような模様が出ていたり、変形したり、
極端に花もちが悪いものは、シクラメンホコリダニに吸汁された影響です。
葉や花、蕾が奇形になっていたり、葉よりも低い位置で花が咲く症状が出れば、
シクラメンホコリダニを一番に疑うことができます。
葉や花、蕾の形が不揃いの場合、ホコリダニの可能性があります
■シクラメンホコリダニ予防法
シクラメンホコリダニは、乾燥と高温を好みます。
最も高温乾燥となる真夏は、シクラメンが休眠していることが多いですが、
非休眠で夏越しさせている株は注意が必要です。
冬場の室内が、必要以上に高温になったり、
乾燥したままの状態にならないように工夫しておきましょう。
できるだけ乾燥しないように、しかし根腐れさせない必要があります。
水やりをするのはもちろん、時々は葉の裏を中心に葉水を与えてあげましょう。
シクラメンの水やりは、葉や塊茎(球根)に水が当たらないように与えますが、
これが乾燥を強めている可能性があります。
塊茎に直接水をかけるのは良くありませんが、
霧吹きを使って葉水を与えるのはホコリダニを予防します。
晴れた日の午前中に葉水を与えておけば、
夜までには乾くので、過湿になる心配もありません。
冬の間も、暖房器具の近くは乾燥が強くなるので避けるようにします。
どうしても室内が乾燥してしまう場合は、大きめの鉢皿に砂などを敷き、
中央に鉢植えのシクラメンを置きます。
砂に水を含ませておくことで、自然に水分が蒸散し、湿度が上がります。
シクラメンの周りの湿度を上げる方法
また、風通しの悪い環境や、日光が入らない環境は、
シクラメンホコリダニが増殖する環境になりやすいです。
複数の株を育てている場合は、葉と葉が触れあわない程度に隙間をあけ、
風通しを良くすると、ほかの病害虫も防ぎます。
枯れた葉や花があったら、適宜摘み取るようにし、
株周りを清潔に保っておくことも、元気に育てるコツです。
1ヶ月に1回~2回くらい、葉組みをして株の中心にも風と光を入れます。
シクラメンと同じ環境に置くことの多い、
セントポーリアもホコリダニ類の被害に合うことがあります。
ホコリダニは、自分が生まれた場所に好んでとどまり、食害を繰り返しますが、
だんだんと個体の数が増えてくると、数の少ない場所へと移動します。
ホコリダニは体が小さく軽いので、少しの風でも飛んで移動できます。
この時、被害の出ている鉢植えと、出ていない鉢植えがすぐ近くにあると、
出ていない鉢植えに移動してしまい、新たに繁殖を始めます。
できるだけ被害を広めないためにも、十分なスペースと、
被害が出ていないかのチェックが必要となります。
■シクラメンホコリダニ駆除法
シクラメンホコリダニの被害が出ているのを見つけたら、
まずはどの部分にシクラメンホコリダニが集中しているのか、くまなくチェックします。
薬剤を使用する場合は、マラソン乳剤やベニカR乳剤などが使えます。
シクラメンホコリダニなどのハダニ類を防除する場合、
害虫に直接薬剤がかかることで、効果が出る仕組みのものが多いです。
害虫は葉の裏などに潜んでいるので、株の上部から表面にだけかけるのではなく、
葉の裏から散布するのが効果的です。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え