シクラメン 花の形
シクラメンと聞くと、花びらが反り返ったパーシカムの花形で、
ハート型の葉に囲まれている形とイメージする方が多いでしょう
実はシクラメンには色々な花形があります。
こちらでご紹介するシクラメンの花形を知っていると、
シクラメンを鑑賞する楽しさと面白さが深まります。
[シクラメン 花の形]
■パーシカム咲き
シクラメンの中では、最もオーソドックスな花形です。
現在主流となっているシクラメンの多くは、
シクラメン・パーシカムという原種から改良されたものです。
シクラメン・パーシカムは、花びらが完全に反り返っているのが特徴で、
花弁はやや細めで、先端が少しねじれていることがあります。
改良されている現在のシクラメンのパーシカム咲きの場合は、
花びらが反り返っているのは同じですが、花弁は幅が広くなり、
先端のねじれはほぼありません。
シクラメンといえば思い浮かべる花形で、飽きの来ない美しさが魅力です。
八重咲は、本来は雄しべとなる部分が変形し、花弁状態となって八重になります。
シクラメンの基本の花弁数は5枚で、雄しべがだいたい5本あるため、
八重咲きタイプの品種であれば、平均して花弁が10枚あります。
品種によって花弁の枚数が増減しますが、どれもゴージャスな雰囲気があります。
雄しべが花弁に変形しているため、雄しべがなく、交配することができません。
一般的なシクラメンであれば、同株内で種をつけることがありますが、
八重咲き品種は雄しべがなく、花粉が出ないため種を作りません。
■フリンジ咲き
フリンジ咲きは、花弁が反り返っている様子は、パーシカム咲きと同じです。
フリンジ咲きは、花弁の縁に細かい切れ込みが入っているのが、最大の特徴です。
切れ込みが入ることにより、ボリューム感が増し、豪華な雰囲気が強くなります。
花色が白やピンクなら、豪華な中にふんわりとした可愛らしさが含まれ、
赤など色の濃い花色なら、豪華さの中に大人の雰囲気をまとわせることができます。
■ロココ咲き
ロココ咲きは、パーシカム咲きのように花弁が完全には反り返らず、
ほとんど反り返らないか、半分くらい反り返るくらいの咲き方をします。
花弁の中間部分あたりからシワが広がり、
縁にいくにしたがって、ゆるいウェーブがかかっています。
さらに縁にはフリンジ咲きのような細かい切れ込みも入るため、
ウェーブと切れ込みの具合で、ふわふわと柔らかい質感が生まれています。
遠目では柔らかい紙を丸めたような、ふわっとした雰囲気が強いですが、
近づいて見ると、その花形の精巧さに心を奪われます。
以前は、このロココ咲きに近い花形を「パピリオ咲き」と呼んでいたようですが、
現在ではロココ咲きが一般的となりました。
その代わり、ロココ咲きよりもフリンジが軽く、花弁が丸みを帯びている状態を、
パピリオ咲きと呼ぶことがあるようです。
クリスタータは、シクラメンの花形の中でもとても珍しい花形です。
花弁は、パーシカム咲きのように完全に反り返ったり、半分だけ反り返ります。
花びらの形としては、パーシカム咲きのような素直に先端まで伸びていますが、
最大の特徴は、花弁の途中から出ているトサカのような部分です。
品種によって、トサカ部分の形は異なりますが、
花の途中から突起のように飛び出し、それが強いアクセントとなっています。
流通している数が少ないため、ホームセンターや小さな園芸店では、
見かけることが少ないかもしれません。
数が少なく、花形としても希少であるため、
コレクターの方たちの間では人気があります。
■トンボ
トンボという花形は、日本国内で呼ばれている通称のようなものです。
花弁が完全には反り返らず、中途半端に反転するため、
花が俯いているように見えるのが特徴です。
以前はこの俯いているように見える花が不人気でしたが、
最近はこの花形を生かして改良された品種が発売され人気が高まっています。
俯き加減に咲くものの、花がとても大きいので見応えがあります。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方