シクラメンの育て方 8月
休眠せずに、きれいな葉色をしています
8月になると、日差しはますます強くなり気温も高くなります。
台風や大雨で、急激に湿度が高くなることもあるので、
シクラメンにとっては辛い時期が続きます。
シクラメン、8月も末になってくると、
休眠株も非休眠の株にも、変化が見られるようになってきます。
それぞれの育て方をご紹介しましょう。
[シクラメンの育て方 8月]
■基本の栽培管理
・置き場所
基本的な置き場所は、休眠株・非休眠株に関わらず、7月と同じで構いません。
非休眠株の場合、軒下などに置いてあることが多いと思います。
少々の雨であれば、軒下でも雨が当たりにくいです。
しかし、台風の時は別で、雨風が強く、吹き込むことも多くなります。
この時に外に出しておくと、風にあおられて葉や球根に傷がついたり、
雨が長時間かかって傷みの原因になります。
台風の間だけ、室内の風通しの良い場所に取り入れておくと安心です。
休眠株であっても、戸外に置いている場合は、
台風の時だけ非休眠株と同じように室内に入れておきましょう。
・水やり
◎休眠株
水を与える必要はありません。
他の植物に水やりをする時、水がかからないように注意しましょう。
◎非休眠株
底面給水鉢で育てている場合は、
受け皿の三分の二くらいまで水を入れておきましょう。
株自体は非休眠であっても、ほとんど生育していません。
けれど暑さから受け皿の中の水が干上がり、
鉢底から出ている不織布が乾燥してしまうことがあります。
不織布は完全に乾くと、受け皿に水を入れてもなかなか浸透しません。
この場合は、普通鉢と同じように上から水を入れましょう。
土全体が湿るように水を与えた後、余分な水が出てきて受け皿に溜まります。
この溜まった水は一度捨て、受け皿をセットしてから水を与えるようにします。
また、水やりをしてから1週間経っても、受け皿の中の水が残っている場合は、
残っている水を捨てて新しいものに交換しておきます。
普通鉢の場合は、土の表面が乾くまで待ってから水を与えます。
水やりは午前中の涼しい時間帯に行いましょう。
こちらのガーデンシクラメンは、とっても元気です
・追肥
◎休眠株
追肥の必要はありません。
◎非休眠株
7月と同じように、2週間に1回のペースで液体肥料を与えます。
液体肥料はカリ分の多いものを使い、2000倍に薄めて使います。
底面給水鉢は受け皿に液体肥料を入れ、
普通鉢の場合は水やりと同じ要領で与えます。
土に湿り気があるにも関わらず、葉に元気がない、
萎れたようになっている場合は、根が傷んでいる可能性が高いです。
追肥をすると余計に根を傷めるので、そういった株には追肥は不要です。
・元気のない非休眠株
休眠株の場合は、球根も乾いてかさかさになっているので、
元気かどうかというのはあまり気にせず、湿気にだけ注意します。
非休眠株の場合は、葉が残っていることがほとんどなのですが、
どうしても暑さや湿気で調子を崩すことがあります。
非休眠のはずなのに、葉が減って数枚しか残っていない、
あるいはもう葉がなくなってしまったということがあります。
葉は残っているけれど、水の吸い上げが悪いといった場合もあるでしょう。
こういった調子の悪い非休眠株は、通常とは少し異なる管理をします。
調子の悪い株は、だいたい水の吸い上げが悪く、
水やりの後なかなか土が乾かないということが多くなります。
特に底面給水鉢に植えてある株は、
常に不織布が水を吸いあげて土を湿らせるため、
夏は元気をなくすことがあります。
この場合、底面給水のシステムを崩すことで、
土の乾湿をコントロールすることができます。
まず、底面給水鉢の受け皿をはずします。
不織布が垂れ下がった状態になっているので、
不織布が地面についてしまわないよう、
バーベキューの網とレンガなどを使って、高さのあるところに鉢を置きます。
この状態にすることで、不織布が水を吸い上げることがないため、
普通鉢と同じような水管理ができるようになります。
水やりは土が乾いてから与えるようにし、
与える時は鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
夏越し中のシクラメンに過湿は厳禁です。
鉢が底面給水でも普通鉢でも、
土の表面がしっかりと乾いてから水を与えることで、
根腐れを防止することができます。
・植え替え
8月下旬~9月中旬頃まで、植え替えが可能になります。
休眠株、非休眠株とも植え替えは可能ですが、植え替え方法が異なるので注意します。
植え替えを行うことで、株がリフレッシュして、秋以降の生育が良くなります。
雨が続いた後、調子を崩したガーデンシクラメン
■シクラメンの様子
この時期になると、購入株も夏越し中となるため、
去年夏越しをした株と同じように扱えます。
休眠株か非休眠株かによって様子が異なるので、観察しておきましょう。
・休眠株
球根は乾いて硬くなり、葉も葉柄も枯れてカリカリになっています。
けれど8月中旬を過ぎると、球根の表面に新芽が見える株が出てきます。
もし新芽の動きが見えない場合であっても、
球根を指で押してみて、硬く締まっているようであれば、
ちゃんと夏越しはできています。
休眠が破られていないだけですので、
安心して引き続き夏越ししやすい管理をしてください。
・非休眠株
非休眠株であっても、生育はほとんどしていません。
そのため、根から吸い上げる水分量が減り、湿気やすくなります。
土が湿っている状態が続くと、過湿となって根が傷むので、
水やりには細心の注意を払います。
8月中旬を過ぎると、
休眠株と同じように非休眠株にも変化が見られる場合があります。
残った葉をかきわけ球根の表面を見てみると、
新芽が出てきていることがあります。
中には花芽をつけるものもあります。
シクラメンを置いている環境やシクラメンの調子により、
この出てきた花芽が大きくなり、開花することがあります。
時期外れの開花はちょっと嬉しくなりますが、
あまり咲かせると体力を奪われるので、早めに摘み取るようにします。
非休眠株の中には、葉がすべて枯れてしまい、
1枚も残っていないものが出ることがあります。
その場合も、球根がぶよぶよしていなければ、じきに新芽が出てきます。
■参考
・シクラメンの育て方
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメン 花が倒れる理由は?