シクラメンの育て方 9月
9月下旬につぼみをつけた大型シクラメン
9月には、シクラメンにとって厳しかった夏は過ぎましたが、
季節の変わり目なので気を抜かずに管理してあげましょう。
9月になると、夏の一番暑い時期を過ぎ、
朝夕が少しずつ涼しく感じられる日も出てきます。
さらに9月は、台風の発生で湿気が突然高くなったり、
秋雨の影響で雨が続くので、天候に注意してシクラメンを栽培します。
[シクラメンの育て方 9月]
■基本の栽培管理
・植え替え
8月に引き続き、9月中旬くらいまで植え替えが可能です。
夏越しをするために休眠している株も、葉を残して休眠せずに過ごしていた株も、
前年から植え替えをしていないのであれば、植え替えをします。
長い間植え替えずに管理してきた鉢の中では、
底に細かい土が集まり、水はけを悪くしていることがあります。
見た目には分かりにくい変化なので、一度ここで植え替えを行い、
リフレッシュさせておいた方が安心です。
休眠していた株であれば、思い切って根を整理する植え替えが可能です。
休眠せずに夏を越した株は、根鉢はあまり触らず、一回りか二回り大きい鉢に植え替えます。
非休眠株の中には、夏越し中に調子が悪くなり、
葉が一枚も残っていない株が出る場合があります。
その場合、球根を触ってみてください。
ぶよぶよと柔らかくなっている場合は、球根まで傷んでいる証拠です。
植え替えをしても元気に育たない可能性が高いです。
反対に、指で球根を押した時にハリが残っている場合は、復活する可能性が高いです。
植え替えを行うことにより、前年の秋に購入した株も、
夏越しをした2年目以降の株と同様の育て方ができるようになります。
花芽もついてきました♪
・置き場所
植え替えを行った直後は、
根にダメージが残っている状態のため、直射日光には当てないようにします。
だいたい1週間くらいの間は、風通しの良い明るい日陰に置いて養生させましょう。
養生を済ませたら、その後は株を生育させるために日向に移動させます。
できるだけ日当たりの良い場所に移動させますが、
まだ西日が強すぎる場合は、西日には当てない方が良いでしょう。
また、一日中日当たりの良い場所だと、葉焼けを起こすことがあります。
その場合は、午前中だけ日当たりの良い半日陰のような場所に移し、様子を見ます。
いずれの場所に移動させる場合も、できれば雨のかからない軒下などが理想的です。
・水やり
植え替えたらすぐに水をたっぷりと与え、鉢土全体に水が回るようにします。
植え替え直後は、まだ根付いてはいませんが、あまり頻繁に水を与えるのは避けます。
土の表面が乾いたなと感じたら、たっぷりと水を与えましょう。
根付いていないからといって、表土が乾かないうちに水を与えてしまうと、
シクラメンにとっては過湿となり、せっかく夏越しした株が弱ってしまいます。
・追肥
植え替え直後のシクラメンは、地上部の葉や蕾を育てず、まずは地中の根を育てます。
植え替え後のタイミングで追肥を行うと、根が傷みやすくなるので、
植え替え後2週間~3週間は追肥を控えるようにします。
2週間~3週間経ったら、カリが多めの液体肥料を1000倍に薄めて水代わりに与えます。
その後は1週間に1回のペースで、薄めた液体肥料を与えます。
追肥をする時は、必ず午前中に済ませるようにしましょう。
植え替え1ヶ月を過ぎたら、液体肥料と合わせて固形肥料も与えます。
窒素・リン酸・カリが同等の、タブレット状の置き肥がお勧めです。
追肥をする時、土の中に肥料を埋めてしまうと、
急激に肥料成分が溶け出てしまい、肥料濃度が高くなることがあります。
肥料濃度が高くなると、根が傷みやすくなるので、
置き肥は必ず土の上に乗せるようにしましょう。
置き肥は2か月に1回のペースで与えるようにします。
・病害虫
植え替えを行った時、根が傷んだことにより萎凋病にかかることがあります。
これを予防するために、ベノミル剤を土の中に潅注しておきます。
また、湿度が高いと灰色カビ病にかかりやすくなるので、
チオファネートメチル剤を株の中心に散布しておくと安心です。
去年の12月末の姿です
■シクラメンの様子
前年の秋に購入した株も、以前から育てていた株も、
夏越しに成功すればすべて「夏越しをした株」となります。
夏前までは新しく購入した新入りという扱いでしたが、
ここからは立派な2年目以降の株です。
非休眠の状態で夏を越した株は、気温が徐々に下がって涼しくなっていくとともに、
葉数も増え、中には花芽が見えるものも出てきます。
休眠状態で夏越ししたものも、非休眠株より少し遅れて新芽が出始めます。
非休眠で夏越ししたものでも、調子を崩して地上部の葉がないことがあります。
それでも、球根がまだ生きてさえいれば、植え替えなど適切な処置の後、
明るい日陰で養生させていると、新しい芽が出てきます。
この場合は、休眠株と同じように、
葉を残して健全に夏越しした非休眠株に比べると、葉の生育が遅くなります。
植え替えも済ませ、シクラメンも心機一転、新しいシーズンを迎えることとなります!
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え