シクラメンの育て方 6月
元気で育っているシクラメン
6月といえば梅雨ですね。
沖縄では5月のうちに梅雨入りしますが、
本州ではだいたい6月の1週目くらいから順に梅雨入りをします。
シクラメンは湿気と高温が苦手です。
そのため、今までは元気に育っていた株も、急に調子を崩すことがあります。
6月は、シクラメン栽培において最大の難所である夏越しも迫ってきています。
次のシーズンにまたたくさんの花を咲かせるための準備をしましょう。
[シクラメンの育て方 6月]
■基本の栽培管理
・夏越しの準備
シクラメンの夏越しには2つのパターンがあります。
1つは球根を休眠させ、葉もなにもない状態で夏を越すパターン。
もう1つは、休眠せずに葉を残したまま夏を越すパターンです。
どちらの状態でも夏越しは可能ですが、
6月のこの時期からどちらの方法で夏越しさせるかを決める必要があります。
夏越しの方法によって、水やりや追肥の管理が異なるためです。
シクラメンの状態を見極め、その株に合った夏越しの方法を決めてあげましょう。
また、この時期に調子が悪い株は、夏越しが難しくなります。
下記の項目に当てはまる株は、養生をしながら様子をみて、
調子が戻らないようなら夏越しすることはほぼできません。
1. 球根が柔らかくなっている
2. 株のうち半分だけなど、一部分だけ葉が枯れる(萎凋病の疑い)
3. 土は湿っているのに葉が萎れて戻らない(根腐れの疑い)
葉が徒長気味だったり、全体的に黄色っぽくなっていたとしても、
球根がしっかりとハリのある状態なら、夏越しが可能です。
休眠させるか、非休眠で夏を越すかは、葉の数で判断します。
葉の数が10枚以上残っている元気な株は、非休眠で夏を越すことができます。
反対にそれよりも葉の数が少ない場合は、6月頃から水を切り、
休眠させた状態で夏越しさせた方が無難です。
・置き場所
今まではどの株も置き場所は同じでしたが、
休眠か非休眠かによって、置き場所が変わってきます。
◎休眠株
休眠させる株は、鉢ごと雨も直射も当たらない軒下などに移動させます。
地上部の葉がすべて枯れたら、風通しがよく涼しい場所で保管します。
この時、直射や雨に当たらない場所が適当です。
また、他の植物の鉢の近くに置く場合、
他の植物に水を与える時に水がかからないように注意します。
◎非休眠株
梅雨に入ると、雨が多くなって湿度が高くなります。
からっと晴れることが少ないため、基本的には湿気が高い環境が続きます。
シクラメンは湿度の高い環境が苦手なので、風通しが良く明るい日陰に置きます。
この時、戸外の方が良いのですが、雨の当たらない軒下などに置くようにします。
どうしても直射が当たる場合は、50%の遮光ネットを設置して、直射を防ぎます。
梅雨の晴れ間に差し込む光に当たると、葉焼けの原因となるので注意します。
複数の鉢を育てている場合、
鉢と鉢の距離が近いと、蒸れの原因になることがあります。
ある程度の距離をとり、風通しを確保しましょう。
・水やり
休眠か非休眠かによって、水やりの仕方が変わります。
間違わないように注意しましょう。
◎休眠株
休眠させる株には、水を与えません。
底面給水の鉢でも、普通の鉢でも同じです。
水を切ることで乾燥が進み、株が自然に休眠へと動きます。
途中で水を中途半端に与えると、根や球根が腐るので、水やりは禁物です。
◎非休眠株
非休眠で夏越しさせる株は、葉が残っている状態なので、水が必要です。
ただ最盛期ほど根の動きがよくなく、吸い上げる水の量も減っていくので、
水やりの加減に注意します。
底面給水の鉢は、受け皿に水を溜めていても、なかなか減りません。
そのままにしておくと、気温も高いので水が傷みます。
また、受け皿の内側に藻が発生することもあるため、
水替えのついでに藻の掃除も行います。
だいたい1週間に1回くらい行えば、キレイな状態を保つことができます。
普通の鉢の場合は、土の表面が乾くまで待ってから水を与えます。
水を与える時は、鉢底から水が出るまでたっぷりと与え、
余分な水が鉢皿に残ったら捨てるようにします。
・追肥
追肥も水やりと同じように、休眠か非休眠かで違いがあるので注意します。
◎休眠株
水を切り始めた株には、追肥は一切行いません。
◎非休眠株
底面給水の鉢の場合は、一度受け皿の液肥や水を捨てます。
新しい液体肥料を薄めたものを与えますが、頻度は5月までより下げます。
以前は1週間に1回が目安でしたが、今月は2週間に1回にします。
普通鉢の場合も、2週間に1回のペースで与えるようにします。
ガーデンシクラメンは、寄せ植えが生い茂ってきたので鉢に分けようと思います
■シクラメンの様子
・購入した株
いよいよ開花することもなくなり、気候によっては葉の数も減ってきます。
シクラメンは25度以上になると、葉が黄色くなって枯れていきます。
これは病気などではなく、生理的なものなので、
カビの発生などがなければ問題ありません。
葉が少なくなってきますが、球根自体はまだまだ生長の段階です。
気を抜かずに管理しましょう。
・夏越しした株
夏越しを経験している株であっても、気温の上昇とともに葉数が減っていきます。
球根の成長期であることにも変わりはありません。
夏越しを経験しているからといって、暑さに強くなるわけではないので、
購入株と同じように丁寧に手入れをします。
■参考
・シクラメンの育て方
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメン 花が倒れる理由は?