シクラメンの育て方
■シクラメン 栽培スケジュール
■シクラメン 栽培データ
英名・学名 cyclamen・cyclamen persicum Mill.
形態 多年草
原産地 北アフリカ~中近東、地中海沿岸
草丈/樹高 10cm~70cm
開花期 9月下旬~3月
花色 白、赤、ピンク、紫、複色
栽培難易度(1~5) 2
耐寒性 やや弱い~弱い
耐暑性 普通~やや弱い
特性・用途 花期が長い
シクラメンの大きな鉢植えが店頭に並び始めると、
花の美しさと、いよいよ年末だな……とわくわくします
見た目が立派でゴージャスなシクラメンなので、
育て方が難しいと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
1つ1つていねいに手入れをしていけば、何年も楽しむことができます。
[シクラメン 育て方]
■シクラメン 育て方
・苗を選ぶ場合
シクラメンの苗を選ぶ時には、いくつかポイントがあります。
ポイントを確かめて苗を購入することはとっても大切。
花をたくさん長く楽しむことができる上に、
病害虫にかかりにくい健康な状態を維持しやすくなります。
良い苗を選ぶには?
◎良い苗の選び方
A.花の高さが同じくらい
色づいた蕾が多数ついている
B.葉に染みや傷みがない
C.球根などにカビが生えていない
茎がだらりとしておらず、全体的に締まっている
*より詳しい良い苗の選び方は、
>>シクラメン 苗の選び方
・栽培環境
シクラメンは、季節によって管理方法が違います。
花のある秋~春の間は、室内の比較的暖かくて、
日当たりの良い窓辺などで管理します。
休眠する夏の間は、雨も日も当たらない涼しい場所で管理するのが基本です。
季節によって管理が違うことは、栽培が難しく感じますが、
実際に育ててみると、作業自体は難しいことはほとんどありません。
大事なことは、こまめに株の状態を観察し、
どのようにすれば、株が健康に育つかを読み取ることです。
・水やり
シクラメンは、基本的に鉢花として売られている植物です。
販売時の鉢には2種類あり、
鉢底から水を吸い上げる底面給水タイプの鉢と、
普通の鉢とがあります。
鉢の種類によって、水の与え方が変わるので、
よく確認しておきましょう。
底面給水タイプの鉢 C)リッチェル 楽天市場店
◎底面給水鉢の場合
底面給水タイプの鉢は、鉢底から不織布やスポンジなどが出ていて、
それが鉢皿に溜まった水を吸い上げる仕組みになっています。
鉢皿は、鉢本体にはめ込むような形になっていますが、
必要な時は簡単に外せるようになっているものがほとんどです。
鉢皿と鉢の間には給水するための窓があいているので、
給水する時は水差しなどでその窓から入れるようにします。
花や葉がある状態の時には、
常に鉢皿の三分の一くらいの深さまで水が入っているようにしておきます。
底面給水タイプであっても、
1か月に1回くらいは土の上から水を与えるようにします。
こうすることで、土の上や中にある肥料に水が十分に染み込み、
肥料がよく効くようになります。
上から水を与える時は、鉢皿を外しておき、
余分に出た水は出し切ってから、また鉢皿を戻します。
上から水を与える時に最も注意が必要なのが、
球根に直接、水をかけないようにすることです。
球根は土より少し出た状態で植え付けられています。
シクラメンの球根は腐ったりカビたりしやすく、
傷んでしまうと花つきが悪くなり、最悪には枯れてしまうこともあります。
水を与える時は球根を避け、
水差しなどを使って土に直接水をかけるようにしましょう。
シクラメンの水やりの基本
◎普通の鉢の場合
底に穴のあいている普通の鉢に植わっている場合は、
土の表面が乾いたら水を与えるのが基本です。
水を与えるのは、葉や花がある状態の時のみで、
夏に休眠した場合は水やりは不要です。
水を与える時は、必ず葉や球根に水がかからないように注意します。
葉が邪魔でうまく水やりができない時は、
葉を少し手でよけ、土に水を与えるようにしましょう。
・追肥
9月~5月頃までは、花のあるシーズンなので、追肥を行います。
2か月に1回のペースで化成肥料を与えるか、
1週間に1回のペースで薄めに作った、
液体肥料を水代わりに与えるようにします。
夏の間、休眠している株には追肥は不要ですが、
葉を残している株には追肥をします。
とはいえ、花を咲かせている時ほど肥料を必要としません。
2週間~1か月に1回くらいのペースで、
シーズン中よりも薄めに作った液体肥料を与えます。
・花ガラ摘み
咲き終わった花や、傷んできた葉は、随時取り除くようにしましょう。
そのまま放置しておくと、カビが生えたり病気の原因になります。
取り除く時は、茎の付け根近くを指でつまみ、
プチンときれいに取り除くことができます
取り除く時は、ハサミなどは使わないようにしましょう。
・葉組み
葉組みは、シクラメン独特の手入れ方法です。
購入してから1か月~2か月ほど経った株は、
だんだんと花も枯れ、株姿も乱れてきます。
中心に寄っている葉を外側へ少し引いてあげます
内側に戻してあげます
さらに中心に寄っている葉を、そっと手のひらで外側へ押し広げてやり、
株の中央の新芽や花芽に光がよくあたるようにすると元気に育ちます!
このように株姿が乱れてきたシクラメンを形良く直して行きます。
・植え替え
植え替えは9月頃が適期ですが、
夏にどのように過ごしたかどうかで方法が変わります。
◎休眠した場合
葉も何もなくなって、休眠させていた場合は、
鉢から抜いて土をすべて落とします。
土を落とす時は、丁寧に優しく落とすようにしましょう。
土を全部落とし、根が出てきたら、根を半分くらいの長さに切ります。
その後、新しい用土を使って鉢に植え付けます。
この時、必ず球根の頭が少し土から出るように植え付けます。
◎休眠しなかった場合
休眠せずに夏を過ごした株の場合は、
それまで植わっていた鉢よりも一回り大きい鉢を準備します。
古い鉢から株を抜き、根鉢の表面だけ土を落とします。
その後、準備しておいた新しい鉢に、新しい用土を使って植え付けます。
この時も、必ず球根の頭が出るようにしておきましょう。
・夏の管理
シクラメンは、秋~春までがシーズンです。
夏の間は休憩に入りますが、環境などによって状態が違います。
それぞれに管理方法が少し違うので、状態に合った管理をしてあげます。
◎休眠した場合
初夏頃になると、だんだんと葉も枯れてきます。
この時、根も徐々に活動を止めていくため、水の吸い上げが悪くなります。
そのため、水やりの頻度も段階的に下げていくようにします。
完全に葉がなくなったら、
日の当たらない風通しの良い涼しい場所に置きます。
地上部がなくなり根も全く動いていない状態なので水を必要としません。
水や肥料は必要ないので、与えないようにしましょう。
9月頃になったら、植え替えをしてリフレッシュした状態で、
またいつものシーズンの管理をスタートさせます。
◎休眠しなかった場合
初夏になっても葉が残っている場合は、
休眠せずにそのまま夏を越させるようにします。
シクラメンは暑さが苦手ですが、
葉が残っているため、ある程度の日光が必要となります。
午前中の柔らかい光だけが当たるような、半日陰の場所が適しています。
できるだけ高温にならない、風通しの良い涼しい場所を選びます。
水は活動しているシーズンと同じように与え、
肥料は頻度と濃度を下げて当たるようにします。
・冬の管理
冬の管理で重要なのは、鉢の置き場所です。
シクラメンは耐寒性があまりありません。
耐寒温度は5度くらいなので、夜になって冷えてしまっても、
室温が5度~10度くらいはある場所に置くようにします。
昼間は15度~20度くらいのところが適しています。
日の光も当てたいので、窓辺に置いておくといいでしょう。
あまり室温の高い場所に置くと、
夏と勘違いして休眠してしまうことがあるので注意します。
■病害虫
灰色カビ病という病気にかかることがあります。
花ガラや傷んだ葉を放っておくと、付着したところからカビが生え、
灰色カビ病にかかってしまいます。
花が終わった後や、傷んだ葉があったら、すぐに取り除いて、
株周りを清潔に保つようにしましょう。
■シクラメン 育て方のコツ
1.花ガラや弱った葉は早めに摘みます
2.冬の室温や熱風に注意します
3.シクラメンの状態によって夏越し方法を変えます
*ガーデンシクラメン、原種系が市場に出回ってきましたね(o^o^)oワクワク♪
育て方はもちろん、寄せ植えや花壇植えのことも、ご紹介しますのでどうぞよろしく!
>>シクラメンを各種見てみる
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