シクラメン いつ咲く
ライラックフリル、花芽が上がっています
シクラメンは晩秋から花を次々と咲かせ、
寂しくなりがちな冬を美しく彩ってくれる貴重な植物です。
涼しくなってきた頃から、ホームセンターの苗売り場では、
ガーデンシクラメンの苗が並びはじめ、寒さを感じる頃になってくると、
室内用の鉢花としての販売が最盛期を迎えます。
シクラメンの花はいったいいつ咲くものなのでしょうか。
[シクラメン いつ咲く]
■シクラメンの花期
シクラメンの花期は、ざっくりと晩秋~春といわれることが多いですが、
実は品種群によって開花期が違ったり、
管理法によっても開花時期が異なる場合があります。
まずは、品種群ごとにいつ咲くのかをご紹介します。
フリルが美しい室内用シクラメン
・室内用シクラメン
秋~春にかけて、室内に飾って楽しむ用のシクラメンには、
花が大きい大輪系の品種と、花の大きさが小さいミニシクラメンがあります。
近年は、ミニシクラメンの中にも耐寒性がついたものが出てきているため、
ガーデンシクラメンと同じように戸外で越冬することができるものもあります。
これらの品種群が室内向きといわれる理由は、耐寒性があまり強くない点にあります。
霜が降りるような環境や、0度を下回るような環境では、
寒さによって枯れてしまうことが多いです。
かといって、耐暑性もそれほど強くないため、
しっかりと涼しくなってから開花が始まることがほとんどです。
10月中旬頃から、開花した株が鉢物として並び始めます。
このことから、10月中旬から開花するもののように感じますが、
これは農家が温室によって管理しているため、早くに開花しています。
夏越しをさせた株は、温室によって開花促進の管理をしていないため、
開花は早くても12月中旬以降となることが多く、
開花開始が1月に入ることも少なくありません。
また、夏越しをする時に、休眠させたかどうかも、いつ咲くかに大きく関わってきます。
休眠させた株は、芽が動き出すのが遅くなるため、その分開花も遅くなります。
非休眠によって夏越しさせた株は、
生育がスタートしてから芽が発生するまでの期間が短いので、
休眠株よりは開花が早くなることが多いです。
ただ、室内で管理するタイプの品種は、耐暑性があまりないものが多いため、
ほとんどの場合は休眠状態での夏越しとなります。
寄せ植え用に購入したガーデンシクラメンとビオラ、アリッサムなど
・ガーデンシクラメン
ガーデンシクラメンは、室内で管理するシクラメンに比べて、
耐寒性と耐暑性があるのが特徴です。
ホームセンターなどに並ぶガーデンシクラメンの苗は、
早ければ9月中旬から開花苗が入荷されます。
ただ、これも室内用のシクラメンと同様、
早くから花が咲くように農家で管理されたものなので、
夏越しさせた株は開花開始がこれよりも遅くなることがほとんどです。
ガーデンシクラメンは耐暑性があるので、非休眠状態で夏越しをさせれば、
動き出しが早くなり、年内には開花が開始することが多いです。
管理している環境が合っていれば、夏の間も花を咲かせることがありますし、
早くから芽が動き出せば、市販されている苗と同じ時期には、
開花が見られるようになることもあります。
自生する原種シクラメン
・原種シクラメン
原種シクラメンと一口にいっても、意外と品種は多いです。
しかも、一般的によく見かける鉢花としてのシクラメンや、
ガーデンシクラメンとは、まったく違う開花期を持っているものもあります。
原種シクラメンは、春咲き・夏咲き・秋咲き・冬咲きの品種に分かれていて、
それぞれ開花期が異なります。
春咲き品種は4月~5月、夏咲きは6月下旬~10月上旬、
秋咲きは9月~11月、冬咲きは1月~3月が開花期となります。
原種シクラメンの場合、球根の状態で販売されているものも多く、
苗の状態で販売されているものであっても、
開花期を早めるような管理がされているものが少ないのが特徴です。
品種ごとに少しずつ性質が異なり、開花する時期もずれてくるので、
うまく組み合わせることで年中花を咲かせることもできます。
ただし、中には栽培が難しいものや、入手自体がとても難しい品種もあるので、
下調べをしてから購入するようにした方が無難です。
■蕾から開花まで
夏越しをさせた2年目以降のシクラメンを育てていると、
秋に入って涼しくなってきた時に、球根から新しい芽が出てくるととても嬉しくなります。
夏越し初心者の方であれば、新芽が出るまでは安心できないため、
新芽を見つけた時の嬉しさは格別ではないでしょうか。
ようやく新芽が動き出して喜んだのもつかのま、
次に気になるのは、今ついている芽がいつ咲くようになるかです。
シクラメンの新芽はとても小さく、
そこから美しい花を咲かせるようになるまでは、少し時間がかかります。
小さな芽が開花するには、2.5カ月かかります
花茎と蕾を含めた、長さが2cmほどの芽が開花するに至るまでには、
約80日ほどかかるといわれています。
つまり、見えている小さな芽が開花するまでには、
2ヶ月半はかかるということになります。
9月に入って涼しくなり、下旬頃にようやく動き出した芽が花を咲かせるのは、
12月に入ってからになる理由はここにあります。
11月頃にお店で販売されている開花株は、
8月の時点ですでに花芽が出るように管理されているため、
夏越しさせた株よりも早く開花させることができるのです。
新芽を見つけてから、開花まで時間はかかりますが、
少しずつ大きくなっていく芽を見守るのも、シクラメン栽培の醍醐味です。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え