シクラメン 交配

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シクラメン 交配

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シクラメン 交配後の種

 

 

シクラメンは種で増やすことができ、自分でも交配することができます。
好きな株同士を交配することで、新たな自分好みの株を作れるかもしれません。

 

特別な器具は必要ないので、シクラメンの交配にぜひチャレンジしてみてください。

 

 

[シクラメン 交配]

 

 

■シクラメンの繁殖

 

シクラメンは、同じ株に咲いた花の雌しべに、
同じ株の花に咲いた花粉を受粉させることで、種を作ることができる植物です。

 

そのため、シクラメンを繁殖する時には、
種から増やす、いわゆる実生株が多くなります。

 

最近では研究が進み、
シクラメンから採取した細胞から増やせるようになりましたが、多くはありません。

 

実生から育てたものは、親の性質を完全には受け継がないことが多いため、
親株と全く同じものを種から育てるためには、選抜の作業が必須となります。

 

けれど、親とは違った姿形を持った株が生まれるということは、
種を播いた時に、どのような株が育つか分からない、という楽しみもあります。

 

ある1つのシクラメンから種を採取し、その種を育て、
そこからまた種を採取するというのを繰り返していると、
だんだんと種が採取できなくなっていきます。

 

この状態を、内婚劣性と呼びますが、シクラメンはこの性質が強いため、
同じ株同士で受粉したものだけでは、交配が難しくなっていきます。

 

自分で交配を楽しむのであれば、雌しべに別の株の花粉をつける
他家受粉をさせた方が、どのようなシクラメンが出現するか分からない、
楽しみもあり、内婚劣性を防ぐこともできるのでお勧めです。

 

 

原種シクラメンは、こぼれ種から発芽しやすいです

 

 

■交配株の選び方

 

シクラメンを交配させるためには、まず交配させる株を選ぶ必要があります。
基本的には、どのような株を選んでも構いませんが、発芽力のある種を作らせ、
好みのシクラメンを出現させるために、いくつかの注意点を守ります。

 

 

・健全な株を選ぶ
交配する株は、健全な状態であることは必須です。
病気に感染した株では、せっかく受粉がうまくいって種を作っても、
種が熟す前に株が枯れてしまったり、
発芽力がほとんどない種が出来上がってしまうことがあります。

 

また、なんとか発芽する種を確保することができても、
種子伝染している状態では、種を播いたものも、
大きくなる前に枯れてしまう可能性が高くなります。

 

交配するための親株を選ぶ時は、
病害虫におかされておらず、元気なものを選ぶようにしましょう。

 

 

・好みの花形、色などで選ぶ
自分好みのシクラメンを交配して作るためには、
やはり好みの花形や株姿をした親株を選ぶようにします。

 

種からの繁殖では、親と同じ性質を持っていないことも多いですが、
その分、思わぬ性質が出ることもあります。

 

ただし、八重咲きタイプのシクラメンは、
雄しべが変形して花びらの形状となっているため、花粉が出ません。

 

雌しべはついていることが多いので、
交配するためには八重咲き側の雌しべに他の株の花粉をつける必要があります。

 

 

・結実しやすい株を選ぶ
受粉した後、結実しやすい株を選ぶのも、確実に結実させるための方法です。
せっかく人工受粉を行っても、結実する力が弱い株では、
結実できずに種を採取することができません。

 

シーズンに入って花がたくさん咲き始めた時、
自然と自家受粉して結実する株であれば、
他の株の花粉をつけても結実する可能性が高いです。

 

実際に受粉させてみて、どうしても結実率が悪い場合は、
花粉を採取していた株に、受粉させていた株の花粉をつけることで、
結実する場合があります。

 

交配自体は難しくありませんが、結実させられるかどうかが、
成功のカギを握っているので、いくらか違う方法を試してみるのがお勧めです。

 

 

■交配の方法

 

・交配の時期
受粉させるのに最適なのは、雨の日が少なく、空気中の湿気も少ない時期です。
さらに昆虫による受粉を避けるため、虫の飛来がないのも条件になります。

 

だいたい11月~12月頃だと、株も一番充実していて、
花数も多い上に、新芽の発生力も高い時期なのでお勧めです。

 

購入して間もない株であれば、病害虫におかされている心配も少ないです。

 

 

・人工受粉のやり方
人工受粉を行う手順自体は簡単です。
ただ、作業が繊細なので、丁寧に行うことが大切です。

こちらは、花粉親と種子親は別々の株の例です。

 

まず、花粉親から受粉するための花粉を採取します。
花が完全に開いているものを覗いてみましょう。

 

中央の雌しべがあり、それを囲むように雄しべがついているはずです。
雄しべの先端付近には葯と呼ばれる部分があり、そこに花粉が詰まっています。

 

花粉がよく出るようになった花は、
花の上からトントンと軽く叩くだけでも花粉が落ちるので、
それを綿棒や指などで受けておきましょう。

 

次に、種子親の雌しべの準備です。
雌しべの方の花は、花びらは色づいているものの、
まだ開花していない状態のものを選びます。

 

まだ閉じている花弁を指でつまみ、反対の手でガクの部分を押さえます。
その状態で花弁を少しひねるようにして引っ張ると、
花弁と雄しべが一緒に抜きとれます。

 

ガクの中央からは、針のように細い雌しべが見えているはずです。
もしこの段階で、雄しべが残っているようであれば、
自家受粉しないよう、ピンセントなどを使って取り除いておきましょう。
また、花弁や雄しべを取り除く際に、雌しべを傷つけないように注意します。

 

雌しべの先端に、採取した花粉をつけます。
1回で受粉に成功することもありますが、
念のため、2日に1回くらいのペースで、数回人口受粉させておきます。

 

・人工受粉後の管理
人工受粉が終わった後は、風などの影響で花粉が飛ばないように、
小さな袋をかぶせておきましょう。

 

受粉が成功していれば、人工受粉後の2週間~3週間ほどで、
雌しべの付け根が膨らんでくるのが分かります。

 

この状態になったら、袋ははずして構いません。
種が熟すまで、だいたい100日ほどかかるので、
あまり遅くに受粉すると、種が熟す前に休眠に入るので注意しましょう。

 

 

 

 

■種の採取

 

種が飴色になってきたら、熟してきた合図です。
そのまま放っておくと、袋がはじけて種が飛んでしまうので、
袋がはじける前に採取するようにします。

 

採取した種は、室温で乾燥させて細かいゴミを取り除き、
種まきの時期まで20度くらいの場所で保管します。

 

種を入れた袋には、湿気ないように乾燥剤を入れておくのがお勧めです。
長期間保存しておきたい場合は、
夏が終わってから10度以下の冷蔵庫に入れておきましょう。

 

種まきの時期は、一般的な品種であれば9月~10月、
ミニシクラメンなら12月~3月、F1種であれば11月~12月が目安となります。

 

■参考
・シクラメンの育て方 12月
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方



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