シクラメンの育て方 7月
相変わらず元気なシクラメン
7月は梅雨で湿度が高い上、気温も上昇します。
シクラメンが苦手な高温多湿になりやすいため、
この梅雨時を乗り越えられるかどうかがポイントになってきます。
また7月の梅雨明は湿度は下がりますが、今度は気温が一気に高くなります。
休眠、非休眠のどちらの方法でも、涼しい環境で夏越しさせましょう。
[シクラメンの育て方 7月]
■基本の栽培管理
・置き場所
夏越しさせる間の置き場所は、とても重要です。
適した場所で管理すれば、それだけ夏越しに成功できる確率が高くなります。
反対に、シクラメンにとって合わない環境に置いてしまうと、
それだけで夏越しに失敗することがあるので注意します。
休眠株か非休眠株かによって、適した環境が異なるので、
株に合った環境を作りましょう。
◎休眠株
6月に引き続き、雨と直射の当たらない涼しい場所に置くようにします。
雨に当たったり、近くの植物に水を与える時の水が当たるだけでも、
球根が傷む原因となるので注意します。
また、直射日光が当たらなくても、風通しが悪いと高温多湿になるので、
できるだけ風通しの良い場所に置くようにしましょう。
3年目のシクラメン(通常は雨に当てないほうが良いです)
種ができていました、植えるなら秋頃です
◎非休眠株
7月でも、梅雨のうちは曇りの日や雨の日が多く、気温の上昇もゆるやかです。
ところが梅雨が明けると、一変して気温が高くなります。
日中に30度を超えることがほとんどになることもあるため、
できる限り涼しい場所を探してあげてください。
直射日光が当たらず、風通しの良い明るい日陰が適しています。
葉に直射が当たらなくても、鉢に直射が当たるように場所だと、
中の土の温度が当たり、根や球根が傷むので、
建物の北側や壁際など、葉にも鉢にも直射が当たらない場所が良いです。
できれば雨が当たらない場所の方が、蒸れる心配が減ります。
夜に気温が下がらず、25度以上を保ったままの熱帯夜となることも多いでしょう。
打ち水をしたり涼しくなるように工夫をしてあげることで、過ごしやすくなります。
また、複数の鉢を管理する場合、鉢同士の間が近いと、
風通しが悪くなる原因になります。これはどの鉢植えでも共通です。
風通しが悪くなると、高温多湿になりやすくなり、灰かび病などの原因となります。
鉢と鉢の間は、ある程度あけておくようにしましょう。
・水やり
水やりの仕方は、休眠か非休眠かで変わります。
◎休眠株
水は一切与えません。
活動していない球根に水を与えても、腐らせるだけなので、
与えてはいけません。
むしろ乾燥した環境を作るようにします。
◎非休眠株
底面給水鉢の場合、受け皿の三分の二くらいまで水を入れます。
1週間経っても水がなくならなかった場合は、
受け皿をはずして水を捨て、新しい水を入れるようにします。
この時、受け皿に藻がついているようなら、洗い流しておきましょう。
普通鉢の場合は、土の表面が乾いてから水を与えるようにします。
午前中の涼しい時間帯に水を与えるようにすると、蒸れの心配がありません。
・追肥
活動していない休眠株と、葉が残っている非休眠株では、肥料の有無が変わります。
◎休眠株
休眠株の場合は、根も球根も活動していない状態なので、
肥料を与える必要はありません。
◎非休眠株
6月よりも薄い液体肥料を作り、2週間に1回与えるようにします。
液体肥料はカリ分の多いものを与えると、根が丈夫になります。
底面給水鉢の場合は、受け皿に直接液体肥料を入れます。
普通鉢の場合は、土の上から水と同じように与えるようにします。
・暑さを軽減する
暑さをできる限り軽減させるための工夫をしてあげましょう。
直射日光が当たらない場所だと思っていても、
意外と暑さの原因が潜んでいる場合があります。
◎壁
壁の前に置いている場合、方角や周りの建物によって、
シクラメンまでは直射が届かないこともあるかと思います。
けれど壁に反射した光が、シクラメンに当たることがあります。
その場合は、ヨシズやスダレなどをかけて、光の反射を防ぎます。
◎地面
特にコンクリートやタタキなどの場合、蓄熱してしまったり、
光を反射して、知らず知らずのうちにシクラメンに光が当たることがあります。
シクラメンの鉢の下に、スノコなどを置くと、
地面と鉢の間に空間ができ、風通しがよくなります。
また、直接熱が伝わることがないので、暑さを軽減することができます。
◎打ち水
夕方になってもなかなか気温が下がらない場合は、打ち水がお勧めです。
シクラメンの鉢の周りに水をまくことで、気化熱によって気温が下がりやすくなります。
ただし、打ち水をする時にシクラメンに水がかからないように注意します。
ガーデンシクラメン、初夏にも花が!
■シクラメンの様子
購入株も、夏越しをした株も状態は同じです。
休眠株か非休眠株かで様子が変わるので、それぞれの状態を見ておきましょう。
・休眠株
休眠株は地上部の葉が枯れ、球根も乾いてかさかさになってくる頃です。
だいたい水を切ってから1ヶ月も経つと、葉も完全に枯れてしまいます。
この枯れた葉を取り除きたくなりますが、
休眠株の場合は葉を取り除くのは避けるようにします。
生育期の時のように、球根が活動しているうちなら、
枯れた葉は取り除くようにしますが、休眠中は違います。
枯れた葉を取り除こうとしても、葉柄が球根からはずれない場合があります。
この時、無理に葉柄を球根からはずそうとすると、球根が傷ついてしまいます。
生育中ではないので、球根に傷がつくと修復することができません。
また、湿気などで傷口にカビがはえたり、腐り始めることがあります。
枯れた葉をつけたままの姿は、少々見苦しいですが、
そのままにしておくことがシクラメンのためです。
くれぐれも葉を取り除くのはやめておきましょう。
・非休眠株
非休眠株であっても、暑さから葉は次々と枯れていきます。
休眠株の場合は葉を取り除きませんが、非休眠株の場合は、
枯れた葉を取り除いておきましょう。
枯れた葉をそのままにしておくと、風通しが悪くなり、蒸れの原因となります。
また、非休眠株は萎凋病の予防のため、ベノミル剤を土に施しておきます。
■参考
・シクラメンの育て方
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメン 花が倒れる理由は?