年末の店頭に並んでいるシクラメンを眺めていると、
部屋に置いた時を想像してわくわくしますね
初めてシクラメンを育てる方も、何度かシクラメンを育てたことのある方も、
購入後の管理法によって、シクラメンを長く楽しむことができます。
シクラメンを購入したら、まず何をすれば良いのかをまとめました。
[シクラメン 購入後の育て方]
■購入後すぐに
お店で元気に咲いていたシクラメンも、
自宅に持ち帰ってみると、数日でしおれたようになってしまうことがあります。
特に水が切れていないのであれば、ストレスによるしおれの可能性があります。
シクラメンは、農家で管理されているうちは、温室などの中で、
シクラメンが育つのに適した環境で管理されています。
そこから出荷され、店頭に並ぶようになり、購入されて家に運ばれます。
シクラメンは環境の変化に少し敏感なため、度重なる引越しで疲れています。
しかも店頭と自宅では、環境が異なっていることも多いでしょう。
突然の環境変化に適応できず、葉や花が少しの間だけしおれてしまいます。
環境に慣れてしまえば、また元の通りに美しい葉と花で楽しませてくれます。
新しい環境に慣れるまで、だいたい7日~10日ほどが目安になります。
この期間は、暖かい日も戸外には出さず、
日当たりの良い室内に置いて養生させるようにします。
室内も、できるだけ10度~20度に保ってあげると、株が落ち着きます。
慣らす期間の間も、水やりは行うようにします。
底面給水鉢の場合は、鉢皿の中の水がなくならないように注意します。
普通鉢の場合は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
玄関など暗く寒い場所は苦手です
■環境に慣れたら
購入後しばらく経ち、シクラメンが新しい環境に慣れてきたら、
基本的な管理を行っていきます。
水やりは慣らし期間の間も行っているはずですので、そのまま続行します。
それ以外の管理法を確認しておきましょう。
・追肥
持ち帰ってから1週間以上経ったら、追肥を開始します。
底面給水鉢なら、薄めた液体肥料を鉢皿に溜めて与えます。
普通の鉢なら、タブレットや玉状の置き肥をしておきましょう。
液体肥料と緩効性の固形肥料では、肥効の期間が異なるので、
肥料切れにならないように注意します。
昼間は、窓辺で光を浴びさせます
・鉢回し
冬の間は、戸外が寒くて室内で管理することが多くなります。
基本的には日当たりの良い窓辺に置いて管理しますが、
ずっと同じ方向に向けていると、葉や花が太陽に向かって伸び株姿が乱れます。
正面から見ると分からなくても、横から見ると、
斜めになってしまっている場所があるでしょう。
株姿が乱れないように、時々鉢ごと回し=鉢回し、前後を変えてあげましょう。
太陽に当たる面が変われば、斜めだった花や葉も、しだいに戻ります。
また、株の中に光が差し込むよう葉組みもしてあげます。
>>シクラメン 葉組み方法
・戸外で日光浴
慣らし期間が終わったら、天気の良い暖かい日は、戸外に出して日光浴させましょう。
慣らし期間中は、急に戸外に出すと株が傷むことがあるのですが、
慣らし期間が過ぎていれば大丈夫です。
日中が10度以上になったら、戸外の日当たりの良い場所に置いておきましょう。
ただし、夕方になると急激に冷えてくるので、3時~4時には室内に取り入れるようにします。
*詳しいシクラメンの育て方は、こちらをご覧ください。
>>シクラメンの育て方
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え
シクラメンの開花を長くいっぱい楽しみ、
翌年も咲かせるのに大切なもののひとつは肥料です
必要な時期に、適した肥料を与えることで、新しい花や葉が増え、
病気にかかりにくい健康な株に育てることができます。
こちらでは、大型のシクラメンの肥料についてご紹介します。
ガーデンシクラメン、原種系については、後に記事にいたします。
[シクラメンの肥料]
■シクラメンに肥料が必要な時期
シクラメンには、生育サイクルがあります。
葉が茂り、花を咲かせる生育期と、
花がなく葉だけになったり、葉も花もない休眠期です。
・生育期
生育期は、新しい葉や蕾を作っては伸ばし続ける時期で、
根も同様のバランスで旺盛に伸びる時期です。
だいたい9月頃~翌年の5月頃までは生育期とされているので、
この期間は肥料が切れないようにする必要があります。
肥料が切れると、花数が極端に少なくなる、
葉の色が悪くなるなどの症状が出ます。
・休眠期
花が落ち着いてくる5月頃から、シクラメンは休眠期に入ります。
環境によって、葉を残した状態で夏越しをしたり、
葉もなくなって完全に休眠状態になったりします。
完全に休眠している状態であれば、
水も肥料も不要となるため、追肥は必要ありません。
葉だけが残った状態になった場合は、
生育期よりも肥料を減らして与える必要があります。
元気なシーズン中は、次々と花芽が上がります
■肥料の効き方
肥料の中には、窒素・リン酸・カリという成分が含まれています。
この3要素の配合率は、肥料の種類によって様々です。
配合率によって、シクラメンに合う肥料と合わない肥料があります。
配合率は肥料の袋に記載されていますので、
よく確認してから購入・使用するようにしましょう。
・肥料の3要素の効果
窒素:
新芽の発生を促し、葉数を増やします。
葉や花の色を良くし、大きい花を咲かせる効果もあります。
リン酸:
花つきを良くし、根を伸ばします。
カリ:
細胞を丈夫にし、病気や環境の変化に強い株を作ります。
根を丈夫にする効果もあるため、暑さや寒さに耐えられる力がつきます。
一見すると窒素が最も重要な成分に見えますが、
実はそうではありません。
シクラメンで一番楽しみたいのは、やはり花です。
花つきを良くすることは、
長期間安定して花を咲かせることにつながります。
また、夏や冬、シクラメンにとって厳しい環境になった時、
その環境に耐えられる株を作る効果のあるカリも大切な要素です。
窒素は花色や葉の数を増やすという重要な役割がありますが、
窒素が多い肥料ばかりを与えてると、
葉ばかりが茂って花つきが悪くなります。
シクラメンに与える肥料は、
リン酸やカリが少し多めのものを選ぶのが良いです。
■シクラメンの肥料の使い分け
シクラメンを育てる時に必要なのは、元肥と追肥です。
また、肥料には即効性のものと、ゆっくりと効く緩効性のものがあります。
さらに液状、タブレット状、顆粒など、形状にも種類があります。
肥料売り場にはたくさんの種類の肥料が置かれていて、
どれを買っていいものか悩むこともあるでしょう。
元肥と追肥、それぞれの時期に合わせた肥料を与えることがポイントです。
・元肥
シクラメンを植え付けたり、植え替えをしたりする時に必要な肥料です。
最近では、専用の培養土もあるので、
もし手に入るのであれば、専用培養土を使うのも便利です。
自分で土を配合して用土を作る場合は、元肥として肥料を入れます。
この時使う肥料は、粒状のものをお勧めします。
緩効性肥料マイガーデン~植物全般用【元肥・追肥】C)Hana Uta 米沢園芸 楽天市場店
粒状 緩効性肥料
粒状の肥料:
粒状肥料は、用土と混ざりやすいので、扱いやすいです。
植え替えをした後のシクラメンは、根を伸ばす必要があるため、
リン酸が多めのものを使います。
肥料には即効性のあるものもありますが、
即効性のある肥料は、すぐに強い肥料成分が水に溶けだし、
根を傷めてしまう原因となります。
必ずゆっくりと効く、緩効性タイプの肥料を選んでください。
植え替え時に、根が腐って傷んだ状態になっていた場合は、
元肥は入れずに用土だけを使って植え替えます。
・追肥
追肥をする時は、粒状のものよりも、
液状かタブレット状のものが便利です。
特に生育期に与える追肥は、タブレット状が扱いやすいです。
反対に、夏越しをしている間に与える肥料は、
濃度を自由に調整できる液体肥料がいいでしょう。
液体肥料:
液体肥料は、カリかリン酸が多めのものを選びます。
1000倍希釈が標準の肥料を使う場合、生育期は1000倍に希釈したものを、
1週間に1回与えるようにします。
シクラメンの花がない夏の間は、希釈を2000倍にして与えるようにします。
株が完全に休眠している場合は、追肥の必要はありません。
追肥のスタートは、植え替えたものであれば、
植え替え後から2週間~3週間経ち、根が伸びて安定してからにします。
購入してきたばかりの、すでに花が咲いている株の場合は、
家の環境に慣れた、購入1週間後から追肥すると元気でいてくれます。
タブレット状の肥料:
タブレット(錠剤)状の肥料は、種類にもよりますが、
だいたい2か月を目安に与えるようにします。
窒素・リン酸・カリは、同等のものかリン酸が多めのものを選びます。
2か月経って追肥をする時、前回与えた肥料が残っている場合は、
それを取り除いて新しい肥料を置きます。
また、肥料を置く場所は、球根の近くではなく、
球根から離れた、鉢の縁の側に置きます。
シクラメンの追肥のスタートは、購入したばかりの開花株の場合は、
購入後1週間してからです。
植え替えをしたものは、しっかりと根が張ってから与えるため、
植え替え後1か月経ってから追肥を始めるタイミングが良いです。
>>シクラメンを各種見てみる
シクラメン、パンジーも元気に寄り添っています
12月に入ると、気温も下がり本格的な冬に入ります。
店頭に並ぶガーデンシクラメンの苗の数や種類は、
だんだんと少なくなってきます。
庭や鉢に植え付けたガーデンシクラメンは、
これからどんどん花を咲かせていく季節です。
[ガーデンシクラメンの育て方 12月]
■基本の栽培管理
・植え付け
・地植え
ガーデンシクラメンの花壇などの地植えは、
すでに11月中旬に植え付けが終わっているでしょう。
しかし、12月に入るとガーデンシクラメンを安売りしていて、
たくさん購入されたかたもいると思います。
暖かい地域では、地植えもできますが、
中間地では、鉢植えにしたほうが安心です。
どうしても地植えにする場合には、わらや腐葉土を敷いて、
寒さ対策をしてあげます。
・鉢植え
ガーデンシクラメンの鉢植えは、まだ間に合います。
鉢植えであれば、12月中旬頃までは植え付けが可能です。
鉢植えであっても、できるだけ寒くなるまでに根を張らせる方が、
その後の生育もよくなるのでおすすめですが、
12月中旬頃までであればなんとか生長してくれます。
12月初旬に鉢植えにしても、元気に育ってくれました
・栽培場所
・地植え
地植えはすでに植え付けが終わっている状態ですので、
動かすことはできません。
ただし、植え付けたものの、周りに背の高いものが在って、
意図せず日陰になってしまうことがあります。
冬の間はできるだけ日を当てた方が、
花数や葉数が増えて色もよくなります。
日を遮るものを取り除いて、
日当たりが良い状態を作ってあげます。
・鉢植え
ガーデンシクラメンの鉢植えの場合も、
昼間はできるだけ日当たりの良い場所に置くようにします。
鉢植えであれば、時間によって日当たり具合が変わっても、
移動させることができるので便利です。
夜になり、霜の心配がある時は、軒下に移動させたり、
暖房に入っていない玄関などの室内に移動させておくと安心です。
メティス ビクトリア デコラ、お気に入りの品種です
・水やり
いつもと同様、土の表面が乾いた時に、水を与えます。
地植えの場合は、鉢植えよりも土が乾きにくいので、
水やりの頻度は低くなることがほとんどです。
雨の当たる場所であれば、水やりが必要ないことも多いでしょう。
何日も雨が降らなかったり、
雨の当たらない場所に植え付けている場合は、
土が乾いたら、水を与えるようにします。
気温が低くなってくるので、水やりの時間帯には注意します。
早朝や夕方に水を与えると、
水が冷えて球根や根を傷めてしまう原因になります。
できれば午前中のうちに水を与えておくと、寒すぎることもなく、
夜になるにつれ、冷えたり凍ることもなくなります。
朝、暖かくなる8時から12時頃に与えるのが理想的です。
・追肥
11月に引き続き、1週間に1回のペースで液体肥料を与えます。
与える肥料は、カリ分が多めのものにします。
追肥をする時は、水の代わりに与えるようにするため、
水やりと同じように、午前中に済ませるようにしましょう。
・花ガラ摘み
購入して植え付けた株も、夏越しした株も、開花してくる頃です。
特に購入した株は、購入した時点で花を咲かせているので、
そろそろ傷んでくる花も出てくるでしょう。
花が傷んできたら、花ガラを摘むようにしましょう。
また、役目を終えた枯れたり黄ばんだ葉も、同じように摘みます。
傷んだ葉や花をこまめに摘むことで、病害虫を予防することができます。
*花ガラ摘み、葉組みも必要に応じてしてあげます。
>>ガーデンシクラメンの育て方
■12月のガーデンシクラメンの状態
今年購入したガーデンシクラメン
・購入した株
地植えにしたガーデンシクラメンは、
そろそろ根が付き広がり、株もしっかりとしてきます。
購入した時に咲いていた花は枯れてきますが、
待機していた蕾が次々と開花してきます。
新しい蕾を咲かせ、さらに新しい蕾を作らせるために、
肥料は切れないようにし、日光にもよく当てるようにします。
3年目のガーデンシクラメン
夏越ししても花芽がたくさんできて元気です
・夏越しした株
夏越ししたガーデンシクラメンは、葉もよく茂り、
11月よりも一回りくらい大きくなったような印象になります。
2年目以降の株も、開花するものが多くなってきます。
蕾に日を当てることで、小さな蕾は健全に育って花を咲かせます。
日照と肥料が不足しないように注意しましょう。
>>ガーデンシクラメンの育て方 1月
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え
12月は、シクラメンは開花がみごとな本格的シーズンに入ります
園芸店でも多くの品種が並び、美しいシクラメンを楽しめる時期です。
珍しい品種などは、店頭に並ぶとすぐに売れてしまうことがあります。
どうしても欲しい品種がある場合は、取り置きをお願いしてみましょう。
また、近所に好みの品種の取り扱いがない場合は、
インターネットで探すと出会える可能性があります。
[シクラメンの育て方 12月]
■基本の栽培管理
・置き場所
日中は日当たりの良い窓辺などに置き、たっぷりと日光を浴びさせます。
夜は窓辺も冷えるので、窓から離して部屋の中程に置きます。
基本の置き場所、プラス時々外で日光浴します
晴れた日の日中の気温が10度を超えている場合は、
外に出して日光を当ててあげましょう。
外で日光に当てることで株がよく締まり、長く花を楽しむことができます。
夕方になって気温が下がってきたら、室内に取り込みます。
また、人のいる部屋では暖房器具が使われることも増えるので、
暖房の風や熱が直接当たるような場所には、置かないようにします。
暖房器具を使うことで、部屋も乾燥しがちになるので、
加湿すると、シクラメンとっては過ごしやすいです。
・水やり
・底面給水鉢
底面給水鉢の場合は、水がなくならないように注意します。
常に鉢皿の中には水が入っている状態にしておきます。
時々、上からも水を与えると、地表に固まった肥料成分が溶け、
新しい空気もたっぷり土に含ませることができます。
水やりのしかた
万が一水切れしてしまった場合は、鉢皿に残っている水を一度捨てます。
下からの吸い上げが弱くなるので、
上からたっぷりと水を与え、余分な水を切ります。
その後は鉢皿を戻し、また水を溜めた状態で管理します。
・普通鉢
普通鉢の場合は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えるようにします。
鉢皿の中に溜まった水は、その都度捨てるようにします。
*水切れしてしおれた場合はこのように対処します。
>>シクラメン しおれるときは?
・追肥
11月に置き肥を与えなかった場合は、12月に入ったら与えます。
新しく購入した株も、購入から1週間ほど経ったら追肥を始めます。
11月にすでにタブレット状の置き肥をしている場合は、
12月は追肥の必要はありません。
置き肥は2か月に1回のペースで与えるようにします。
さらに12月は葉も花もたくさん伸びてきます。
肥料切れにならないよう、11月に引き続き1週間に1回のペースで、
液体肥料を与えるようにしましょう。
・花ガラ摘み
購入した株はもちろんのこと、
夏越しした株も花を咲かせ始まる株が出てきます。
傷んだ花や葉は早いうちに摘むようにしておきます。
放っておくと、他の葉などに付着して、カビが発生することがあります。
また、葉組みをして容姿を整え、花の中央部に光が当たるようにします。
*花ガラ摘みと葉組みの詳細はこちらをご覧ください。
>>シクラメンの育て方
■12月のシクラメンの状態
・購入した株
葉がたっぷりと茂り、花もたくさん咲いている状態だと思います。
11月に購入した株は、そろそろ環境にも慣れてきた頃です。
新規に購入した株は、出荷した時と購入した時の合計2回も、
短い期間で大きな環境の変化を迎えています。
環境が変わることは、シクラメンにとっては大きなストレスになります。
新しい環境に早く慣れるように、しっかりとケアしてあげましょう。
◎最近購入したばかりの株
シクラメンは、出荷するまで、
15度くらいの安定した環境で育てられていることが多いです。
温室など、空調管理が整った場所と、一般的な家の室内では、
日中や夜間の温度が違ってきます。
まず置き場所は、基本と同じです。
日当たりの良い窓辺に置き、夜は窓から離しておきます。
晴れた暖かい日は、外に出して日光浴をさせましょう。
日照不足になると、徒長したり、花数や葉数が減ってしまいます。
花の色が悪くなったり、株の中心にある新しい蕾も、
小さいまま枯れてしまうことがあります。
同じ場所ばかり日が当たると、草姿が乱れてしまうので、
時々日の当たる方向を変えてあげましょう。
シクラメンは寒さが少し苦手です。
とはいえ、5度までなら耐えることができます。
どちらかというと、冬の間は室温が高くなりすぎることに注意します。
25度以上になってしまうと、夏と勘違いして休眠してしまったり、
葉や花がぐったりと倒れてしまいます。
できることなら、室温を10度~20度の間に収めるようにしておきましょう。
夏越しして蕾が上がってくると嬉しいです
・夏越しした株
夏越しした株は、気温が低くなってくるので、10月や11月に比べると、
少し生育が落ち着いてきます。
株の中央には小さな蕾が育っている頃です。
蕾の大きさは、だいたい3cm~4cmほどです。
休眠しなかった株では、花が咲いてくる頃でしょう。
11月にすでに蕾ができていたのに、
12月になっても咲かないと不安ですが、大丈夫です。
2cmほどの蕾が、開花するまでにかかる時間は約80日です。
店頭に並ぶ開花株は、開花前の8月頃には蕾が上がるように調整されています。
2年目以降の株は、販売されているものより、
1か月~2か月ほど遅れて開花するのが普通です。
さらに、休眠せずに夏を越した株よりも、休眠して夏を越した株の方が、
芽の動き出しが遅れるため、開花も遅くなることが多いです。
開花していないからと焦らず、
蕾が枯れないように気をつけて管理してあげましょう。
■参考
・シクラメンの育て方 1月
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
ガーデンシクラメンの寄せ植えなど、園芸店で素敵な寄せ植えを見ると、
つい欲しくなりますが、値段は結構高く持ち運びもたいへんです
ガーデンシクラメンの寄せ植えは、基本を押さえれば、
実はとても簡単に作ることができます。
数回、寄せ植えを作ってみて、
その生長具合や彩り、配置を見直してみてください。
簡単に、寄せ植えの達人! になれるはずです。
[ガーデンシクラメン 寄せ植えの作り方]
◎平鉢、ローボウルがお勧め
初心者のかたには、まず低い鉢で、
ガーデンシクラメンの寄せ植えを作ることをお勧めします。
鉢の中央に丈の高い植物を置き、
まわりに低い草花、垂れ下がる植物を配置すると、
寄せ植え全体のバランスがとりやすいです。
また、花は同系色か、同系色に1色プラスくらいで作ると、
統一感が生まれおしゃれな感じにしやすいです。
*最初は植物の性質や季節にあまりとらわれずに、
自由に簡単に寄せ植えを楽しむのが良いと思います。
だんだんと自然に細かいことが分かるようになってきます。
■準備するもの
平鉢、ローボウルなど(ここでは10号直径30cm、高さ20cmのプラスティック鉢)
ガーデンシクラメン、草花の苗、鉢底ネット、鉢底石、培養土、
土入れ、新聞紙、割り箸など。
■寄せ植えの作り方
寄せ植えする植物を選び配置を決めていきます
・草花の配置を決めます
ポット苗のまま、草花を鉢に置いて、
バランスを見て配置を決めていきます。
苗の高さや向きの構図を確認しましょう。
*寄せ植え例で使用した植物は、
シクラメン、パンジー、ビオラ、アリッサム、
ルピナス、ローズマリー、アイビー、
ヒメツルソバ、オリヅルランです。
パンジー、ビオラ、アリッサムは、
寄せ植えで扱いやすく合わせやすいのでお勧めです。
ガーデンシクラメンなど苗の配置を決めるときに新聞紙などを丸めて、
ポット苗を支えると傾かず便利です。
ガーデンシクラメンの球根の肩は、表土に出すようにします。
◎挿し木苗を常備すると便利です
アイビーやオリヅルラン、ハーブなどと寄せ植えにします。
あらかじめ挿し木をして増やしておくと寄せ植えに活躍してくれます。
ガーデンシクラメン
パンジー
アイビー、アリッサム
ローズマリー
ヒメツルソバ
害虫が入らないように、鉢底ネットを敷きます
鉢底石を敷く、こちらは軽石タイプです
・鉢底ネットと鉢底石を敷きます
鉢の底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を2~3cm入れます。
ネットは、キッチンの排水溝用のネットでもかまいません。
鉢底石も、軽石タイプや発泡スチロールを砕いたものにすると、
再利用と軽量化ができます。
鉢底石は、排水性を高め根の張りを良くするので、
必ず入れるようにしましょう。
培養土を鉢の3分の1ほど入れます
・培養土を入れます
鉢に培養土を、底石が隠れるくらいに入れます。
培養土に肥料が入っていない場合は、
緩効性肥料を規定量混ぜ込みます。
*培養土を購入するときに元肥が入っているかどうか確認すると安心です。
植え付けを始めます
・植え付けスタート!
大きい苗、背丈の高い苗、中心に来る苗から、
植え付けると作業がしやすいです。
ガーデンシクラメンなどの苗をそっと抜き取り、
土入れなどで用土を入れながら植え込みます。
根が伸びて鉢底にびっしり生えているものは、
親指と人差し指で挟みながらほぐしてから植え付けます。
ウォータースペースを鉢の上から2~3cmとります。
割り箸などで用土を苗の間にも入れるようにします。
土入れがあると便利です
寄せ植え全体を見て位置や用土の入り具合を確認します
・寄せ植え全体を見て整えます
苗を配置し植え付けたら、
もう一回、苗と苗の隙間がないかチェックします。
ガーデンシクラメンの球根の肩が出ているか確認します。
隙間には、さらに用土を足してあげます。
この時点では、まだ根がついていないので、
水を与える時は、そっと株元に与えます。
じゅうぶんに水やりして、完成です。
苗の根が落ち着く2~3週間は、温度や湿度など、
急激な変化を与えないようにすると生育がよくなります。
肥料も、落ち着いてから与えるようにしてくださいね。
例は青系統でまとめていますが、ピンク系でまとめるのもチャーミングでバランスがとりやすいです
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ガーデンシクラメン
ガーデンシクラメンの苗は10月でも販売されていますが、
11月になるとますます品種や数が増え楽しみです
だんだんと気温も低くなり、年末もせまり、
ガーデンシクラメンの季節が到来といった雰囲気です。
11月にもなれば、日中に蒸し暑い日が減るので、
植え付けをすると、元気に嬉しそうに生長します。
[ガーデンシクラメンの育て方 11月]
■基本の栽培管理
・植え付け
購入した株は、さっそく植え付けましょう。
鉢植えにする場合は、11月中ならいつでも植えられます。
花壇など、地植えにする場合は、
一度植え付けると動かすことが難しくなります。
ガーデンシクラメンは、普通のシクラメンよりも耐寒性が強いですが、
冬の間は、日当たりの良い場所を選ぶとよく育ちます。
また、強風で葉や花を傷めることが多いので、
強風の吹く場所への植え付けは避けるようにします。
12月に入り、本格的に寒くなると、徐々に根の生育が鈍ります。
寒さに強く育てるためにも、早い時期に根を張らせることが大切です。
年内に根をできるだけ張らせ健康に育てるために、
地植えの場合は11月中旬頃までには、植え付けを終えると良いです。
花壇には11月中旬頃までに植えると丈夫に育ちます
・水やり
鉢植えの場合は、表土が乾燥したら、たっぷりと水やりします。
地植えの場合は、根が広がり始めれば、
あまり頻繁に水やりをする必要はありません。
鉢植え、地植え、どちらも植え付けから1週間~2週間は、
まだ根がじゅうぶんに付いていません。
その間は、あまり土を乾燥させると、水切れの症状が出てしまいます。
鉢植えも地植えも、土が乾燥してきたかなと思ったら、水やりします。
水やりをする時には、葉の隙間からハス口を取って細目に水を与えます
球根や葉、花に水がかからないようにしましょう。
葉を少し手で持ち上げて、土に直接水をかけるようにすると、
球根、葉、花を除けて、水を与えることができます。
・追肥
植え付けから2週間~3週間ほど経った株は、追肥を開始します。
1週間に1回の間隔で、規定通りに薄めた液体肥料を水の代わりに与えます。
肥料は、できれば窒素・リン酸・カリのカリ分がやや多い肥料を使います。
ガーデンシクラメンは、植え付け後2週間くらいから、
蕾をたくさん上げて次々に開花し始めます。
必要以上に肥料を与える必要はありませんが、
できるだけ肥料切れを起こさないように気遣いましょう。
*花ガラ摘み、葉組みも必要に応じてしてあげます。
>>ガーデンシクラメンの育て方
購入したガーデンシクラメンの花芽
■11月のガーデンシクラメンの状態
・購入した株
この時期に店先に並んでいるガーデンシクラメンは、
すでに花も多く咲いている状態です。
購入して植え付けた後、1週間~2週間ほどは環境に慣れず、
少し勢いが弱まることがありますが、問題はありません。
土が乾いたら水を与え、太陽の光をよく浴びさせることで、
だんだんと環境に慣れて株が強くなります。
後ろのガーデンシクラメンは、3年目ですが元気に生長、花芽も多く出ています
・夏越しした株
販売されている苗は、たくさんの蕾や花をつけていますが、
夏越しをした2年目以降の株は、まだ開花していないこともあります。
葉が茂り、小さくても蕾が出ていれば問題ありません。
購入した株と同様に、水を与え、追肥をし、光をたっぷり浴びさせることで、
今後、たくさんの花を咲かせてくれるようになるはずです。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え
11月に入ると、シクラメンの開花株が園芸店に並び始めます
地域によっては、11月初旬から、あるいは中旬から並んだりと様々ですが、
まだ出始めは、鉢数が少なく品種が出揃っていないこともあります。
12月に入ると、鉢数も多くなるので、たくさんの中から選びたい時は、
入荷がいつ頃になるのかを確認しておくと良いでしょう。
また、目当ての品種がある場合は、ネット販売を利用すると便利です。
[シクラメンの育て方 11月]
■基本の栽培管理
・日当たり
株が旺盛に生育する時期です。
購入株も、夏越しした株も、よく日光に当てるようにしましょう。
日照不足になると、徒長したり花が小さくなってしまいます。
また一方向からばかり日を当てていると、
光の方向に花茎が伸びたりして、姿が乱れます。
何日かに1回、鉢を回転させる鉢回しをして、
日の当たる場所を変えてあげましょう。
シクラメンは水切れしやすいです
・水やり
底面給水鉢の場合は、常に鉢皿に7~8分目くらいの、
水が溜まっているようにしておきましょう。
普通の鉢の場合は、土の表面が乾いたら、
球根に水が当たらないように注意しながら、たっぷりと与えるようにします。
鉢皿を敷いている場合は、雑菌が増えるので、
鉢皿に溜まった余分な水は捨てるようにします。
この時期、たくさんの葉を展開させ、蕾も次々と出てきます。
多少の乾燥には強いシクラメンですが、水切れを起こしてしまうと、
葉数が少なくなったり、すでに茂っている葉が黄変してしまいます。
葉の数はシクラメンにとってはとても大切です。
一枚でも多くの美しい葉を育てられるよう、水切れには注意しましょう。
*水切れしてしおれた場合はこのように対処します。
>>シクラメン しおれるときは?
天候の良いときは、日光に当ててあげましょう
・追肥
購入した株の場合は、購入後1週間ほど経ってから追肥を開始します。
植え替えした株の場合は、植え替えから1か月経ってから、
追肥を与えるようにします。
11月頃、シクラメンは葉や蕾をたくさん作るため、養分を必要とします。
タブレット状の緩効性の置き肥は、
窒素・リン酸・カリが同様のものを使うようにしましょう。
さらに1週間に1回のペースで液体肥料を与えるようにします。
液体肥料は、カリが少し多めのものを使うと良いです。
液体肥料を与える時は、底面給水鉢の場合は鉢皿に入れ、
普通鉢の場合は水と同様に上から与えます。
・花ガラ摘み
開花株を購入した場合は、花がすでに咲いているので、
咲いた花が傷んできたら摘むようにします。
同じように、傷んだ葉があった場合は、摘むようにしましょう。
夏越しした株は、まだ花を咲かせていないことが多いですが、
もし咲いているのであれば、開花株と同じように花ガラを摘みましょう。
花ガラを摘むと、余計な体力を消耗させず株を清潔に保つことができます。
*花ガラ摘みと葉組みの詳細はこちらをご覧ください。
>>シクラメンの育て方
・薬剤散布
10月~11月は灰色カビ病にかかりやすい時期です。
過湿に注意するのはもちろんですが、
さらに予防を強めるために、薬剤を使っても良いでしょう。
チオファネートメチル水和剤やGFベンレート水和剤などが使えます。
■11月のシクラメンの状態
・購入した株
購入してきた新しい株は、すでに葉もたくさん茂り、
花もたくさん咲いていることが多いです。
最初は新しい環境に慣らし、1週間ほど経って環境に慣れてきたら、
追肥を始めるなど、通常の手入れを行います。
購入したシクラメンに蕾がたくさんあります
・夏越しした株
生育期に入っているので、どんどん葉が増えている状態です。
球根の中央部を覗いてみると、小さな蕾がたくさんできている頃です。
休眠しなかった株などは、芽が動き出すのが早いので、
すでに数輪、開花している株があるかもしれません。
夏越しさせた株は、すでに開花している購入株に比べると、
休眠株も非休眠株も開花が遅れるのが普通です。
もし花が咲いていなくても、焦る必要はありません。
蕾の大きさは、だいたい2cm~4cmくらいです。
■参考
・シクラメンの育て方 12月
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
10月に入ると、ガーデンシクラメンの苗が園芸店に並び始めます
色とりどりのガーデンシクラメンの苗を見ていると、
いよいよシーズンが始まったと、とてもワクワクしてきます。
10月になると店頭で見つけた素敵な苗を購入して植え付けたり、
以前から育てている株の生長具合を楽しんだりと、忙しくなってきますね。
来年の休眠まで、たくさんの花を楽しむために、
この時期にできる作業をしっかりと行っておきましょう。
[ガーデンシクラメンの育て方 10月]
■基本の栽培管理
・植え付け
購入した苗も、夏越しした苗も、9月に引き続き植え替えが可能です。
単体で鉢植えに、他の植物と合わせて寄せ植えにしたり、花壇に植えたりと、
丈夫で花期の長いガーデンシクラメンは、色々な楽しみ方ができます。
◎鉢、寄せ植え
植え替えは特に難しいことはありません。
ガーデンシクラメンは、あまり深く根を張らないため、
深さが15cmくらいあれば十分育てられます。
それよりも深いものを使う時は、鉢底石を多めに使って上げ底し、高さを調整します。
深い鉢に土を必要以上にたくさん入れていると、
土が含んだ湿気がなかなか抜けず、加湿状態となって根を傷めます。
また、植え付けの時は、根鉢を崩さないようにします。
球根の頭が少し出るていどの浅植えにするのがポイントです。
ガーデンシクラメンは、球根の中心に生長点があります。
球根上部を埋めてしまうと、生長が止まってしまったり、
球根が傷む原因となるので注意しましょう。
寄せ植えにする場合は、一緒に植えこむ他の植物選びにも注意します。
日陰を好む植物や、湿気を好む植物は、
ガーデンシクラメンと相性が悪いので避けましょう。
植え替えが終わったら、たっぷりと水を与えておきます。
葉組みもすると花芽が上がりやすいです。
非休眠株が咲き始めました
◎花壇
花壇に植えても、ガーデンシクラメンはとても活躍してくれます。
花が少なくなり、寂しくなりがちな花壇を、華やかな色で飾ってくれます。
株がほとんど広がらないため、株間を広くとる必要もなく、
植え付け直後から葉や花を存分に楽しむことができます。
植え付ける時には、まず花壇の土を15cmほど掘り上げます。
そこに新しい培養土(ガーデンシクラメン専用ならなお良い)や、
赤玉土や腐葉土を配合した土を入れて埋めます。
この時、土は必ず新しい清潔なものを使うようにします。
土を入れて表面をならしたら、苗の植え付けです。
根鉢が入るくらいの植え穴を掘り、
根を傷つけないようにポットから苗を抜いて穴に入れます。
根は崩さずそのまま入れ、周りの土を寄せて安定させます。
球根の頭が必ず出るように高さを調節し、軽く押さえます。
植え付ける時、土とガーデンシクラメンの根鉢を密着させようと、
あまり強く押さえてしまうと、逆に根を傷めることになるので注意します。
植え付けが終わったら、たっぷりと水を与えて土を落ち着かせます。
・置き場所
鉢植えや寄せ植えは、風通しと日当たりの良い場所に置きます。
できれば雨のかからない場所が理想的です。
晴れの日は日向に置き、雨の日は軒下に置くという方法でも構いません。
・水やり
鉢植えや寄せ植えの場合は、土の表面が乾いたら、
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水を与えます。
花壇などに地植えしている場合は、
1週間以上雨が降らない場合や、土が乾いていると感じたら、たっぷりと水を与えます。
水を与える時は、できるだけ葉や球根に水がかからないように注意します。
・追肥
植え付けが終わってから、2週間~3週間ほどしたら、追肥を開始します。
追肥はカリが多めの液体肥料を1000倍に薄め、水の代わりに与えます。
頻度は1週間に1回が目安となります。
花芽もどんどん上がっています(できれば雨にあてないように)
■ガーデンシクラメンの様子
・購入した株
ホームセンターや園芸店などに並ぶガーデンシクラメンの苗は、
ほとんどがすでに花がついています。
花が咲いているものをよく見て、花色など好みのものを選ぶようにしましょう。
購入する時は、
葉や花柄が健全に育っているか、
球根がぶよぶよと柔らかくなっていないか、
カビがはえていたり害虫がついていたりしないか、
をチェックするようにします。
・夏越しした株
夏越しに成功した株の中には、早くも開花が始まるものが出てきます。
休眠して夏越しした株は、非休眠株に比べると生育がゆっくりなので、
葉数が少ないこともありますが、何か異変がなければ問題ありません。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え
シクラメン、2個目の花のつぼみが膨らみ花芽も上がっています(非休眠株)
10月は、シクラメンにとってはとても嬉しい季節です。
寒暖差がちょうど良いので、戸外で一番生育が良くなる時期です。
10月はシクラメンにとって過ごしやすい時期だからこそ、
株の充実を促す世話をしてあげましょう。
[シクラメンの育て方 10月]
■基本の栽培管理
・置き場所
この時期はまだ寒いというほどではありません。
戸外でも十分管理できるので、しっかりと日を当てて管理するようにします。
できるだけ日当たりの良い場所で、雨の当たらない軒下などがお勧めです。
どうしても軒下だと日当たりが悪くなるという場合は、
雨の降っていない日は日当たりの良い場所に出し、
雨の日は軒下に取り込んでおくと良いでしょう。
10月に日照不足になると、葉数が増えずつぼみも少ないままになってしまいます。
さらには花の大きさも小さくなってしまい今後の生育を阻みます。
日当たりの良い場所に置いてあったとしても、
周りの植物などの陰になり、隠れ日照不足になることもあります。
葉茎が間延びしたようになっていたら、徒長しているサインです。
徒長は日照不足によって起こることがほとんどなので、
シクラメンを置いている環境をチェックし、改善してあげましょう。
・水やり
葉数が増え、生育も旺盛になってくる頃なので、吸い上げる水の量が増えてきます。
気温が下がりますが、シクラメンが吸う水の量が増えるため、土は乾きやすくなります。
毎朝シクラメンの鉢の土をチェックしましょう。
土の表面が乾いていたら、鉢の底から水が出るまで、たっぷりと水を与えます。
鉢皿を敷いている場合、鉢皿に余分な水が溜まります。
溜まった水は、その都度捨てるようにしましょう。
残したままにしておくと、根腐れの原因になります。
また、水を与える時は、葉や球根に水がかからないように注意します。
葉や球根に水がかかると、水が凹みに溜まってしまい、
そこから傷んだりカビが生えたりすることがあります。
水を与える時は、夕方ではなく午前中に済ませるようにします。
夕方に水を与えると、湿気が夜まで残り、カビが生えやすくなってしまいます。
・追肥
葉が次々を発生し、小さな蕾が出てきていることもあります。
この時期に肥料が切れると、葉や蕾の生育に大きな影響が出るので注意します。
1週間に1回、カリが多めの液体肥料を1000倍に薄め、水の代わりに与えます。
9月に固形肥料を与えていない場合は、10月にタブレット状の置き肥を与えます。
タブレット状の肥料は、窒素・リン酸・カリが同等のものがお勧めです。
葉組みを始めました、お天気の日が少ないのでちょっと不機嫌のようです
・葉組み
葉組みをすることで、大きな葉に隠れてしまっている、
小さな葉芽や花芽に光が当たり、正常に育つようになります。
休眠株も非休眠株も、わさわさと葉が伸びてきている頃です。
自然と伸ばした葉は、かきわけて中をよく見ると、
あっちこっちから伸びて葉茎が絡んだようになっていることもあります。
シクラメンの葉や花の茎は水分を多く含み、とても折れやすいので、
葉組みの作業をする時は、力加減に注意します。
葉を外側に引っ張るようにすると、中央に空間ができます。
シクラメンは中心から新しい芽が発生するので、
中央に空間ができることで、新しい芽も日当たりが良くなります。
ただし、葉組みする前まで新芽は暗い場所にあったことになります。
葉組み直後に日当たりの良い場所に置いてしまうと、
急に直射日光が当たることとなり、逆に新芽を傷めることになります。
葉組みをして2日~3日は明るい日陰に置き、養生させてから日向に移動させます。
・病害虫
夜の気温が低くなるので、水やりのタイミングが遅いと、
夜まで湿気が溜まったままになることがあります。
湿度の高い時間が長くなると、灰色カビ病にかかる可能性が高くなるので、
チオファネーチメチル剤を予防的に散布しておきましょう。
また、夜には余分な湿気が抜けているよう、水やりは午前中に済ませます。
もうすぐ、シクラメンの鉢植えも出回ります
■シクラメンの様子
10月に入ると涼しくはなりますが、まだ新物のシクラメンは、
ほとんど店頭に並んではいません。
そのため、新しいシクラメンとの出会いよりも、
以前から育てているシクラメンとの関係を深める時期です。
10月からしっかりと株を充実させておくと、今シーズンの花付きが変わります。
夏越しをした株は、販売されるシクラメンよりも、1~2か月ほど花の盛りが遅れます。
販売されているシクラメンは、
非休眠で夏越しをした株であっても、蕾が見える程度で、開花は少し先になります。
休眠して夏越しをした株は、葉数が少しずつ増えてくるので、わくわくします。
いずれも、年末年始あたりに開花数が増えてくるので、
今は水や肥料を切らさず、健全な状態を保つようにしましょう。
開花の開始はゆっくりですが、前年より株が大きくなっている分、
花数が増え、さらに豪華に咲いてくれるはずです。
■参考
・シクラメン 育て方 温度は?
・シクラメン 室内の育て方は?
・シクラメンの育て方
・ガーデンシクラメンの育て方
◎ガーデンシクラメン 寄せ植え
相変わらず元気なシクラメン
7月は梅雨で湿度が高い上、気温も上昇します。
シクラメンが苦手な高温多湿になりやすいため、
この梅雨時を乗り越えられるかどうかがポイントになってきます。
また7月の梅雨明は湿度は下がりますが、今度は気温が一気に高くなります。
休眠、非休眠のどちらの方法でも、涼しい環境で夏越しさせましょう。
[シクラメンの育て方 7月]
■基本の栽培管理
・置き場所
夏越しさせる間の置き場所は、とても重要です。
適した場所で管理すれば、それだけ夏越しに成功できる確率が高くなります。
反対に、シクラメンにとって合わない環境に置いてしまうと、
それだけで夏越しに失敗することがあるので注意します。
休眠株か非休眠株かによって、適した環境が異なるので、
株に合った環境を作りましょう。
◎休眠株
6月に引き続き、雨と直射の当たらない涼しい場所に置くようにします。
雨に当たったり、近くの植物に水を与える時の水が当たるだけでも、
球根が傷む原因となるので注意します。
また、直射日光が当たらなくても、風通しが悪いと高温多湿になるので、
できるだけ風通しの良い場所に置くようにしましょう。
3年目のシクラメン(通常は雨に当てないほうが良いです)
種ができていました、植えるなら秋頃です
◎非休眠株
7月でも、梅雨のうちは曇りの日や雨の日が多く、気温の上昇もゆるやかです。
ところが梅雨が明けると、一変して気温が高くなります。
日中に30度を超えることがほとんどになることもあるため、
できる限り涼しい場所を探してあげてください。
直射日光が当たらず、風通しの良い明るい日陰が適しています。
葉に直射が当たらなくても、鉢に直射が当たるように場所だと、
中の土の温度が当たり、根や球根が傷むので、
建物の北側や壁際など、葉にも鉢にも直射が当たらない場所が良いです。
できれば雨が当たらない場所の方が、蒸れる心配が減ります。
夜に気温が下がらず、25度以上を保ったままの熱帯夜となることも多いでしょう。
打ち水をしたり涼しくなるように工夫をしてあげることで、過ごしやすくなります。
また、複数の鉢を管理する場合、鉢同士の間が近いと、
風通しが悪くなる原因になります。これはどの鉢植えでも共通です。
風通しが悪くなると、高温多湿になりやすくなり、灰かび病などの原因となります。
鉢と鉢の間は、ある程度あけておくようにしましょう。
・水やり
水やりの仕方は、休眠か非休眠かで変わります。
◎休眠株
水は一切与えません。
活動していない球根に水を与えても、腐らせるだけなので、
与えてはいけません。
むしろ乾燥した環境を作るようにします。
◎非休眠株
底面給水鉢の場合、受け皿の三分の二くらいまで水を入れます。
1週間経っても水がなくならなかった場合は、
受け皿をはずして水を捨て、新しい水を入れるようにします。
この時、受け皿に藻がついているようなら、洗い流しておきましょう。
普通鉢の場合は、土の表面が乾いてから水を与えるようにします。
午前中の涼しい時間帯に水を与えるようにすると、蒸れの心配がありません。
・追肥
活動していない休眠株と、葉が残っている非休眠株では、肥料の有無が変わります。
◎休眠株
休眠株の場合は、根も球根も活動していない状態なので、
肥料を与える必要はありません。
◎非休眠株
6月よりも薄い液体肥料を作り、2週間に1回与えるようにします。
液体肥料はカリ分の多いものを与えると、根が丈夫になります。
底面給水鉢の場合は、受け皿に直接液体肥料を入れます。
普通鉢の場合は、土の上から水と同じように与えるようにします。
・暑さを軽減する
暑さをできる限り軽減させるための工夫をしてあげましょう。
直射日光が当たらない場所だと思っていても、
意外と暑さの原因が潜んでいる場合があります。
◎壁
壁の前に置いている場合、方角や周りの建物によって、
シクラメンまでは直射が届かないこともあるかと思います。
けれど壁に反射した光が、シクラメンに当たることがあります。
その場合は、ヨシズやスダレなどをかけて、光の反射を防ぎます。
◎地面
特にコンクリートやタタキなどの場合、蓄熱してしまったり、
光を反射して、知らず知らずのうちにシクラメンに光が当たることがあります。
シクラメンの鉢の下に、スノコなどを置くと、
地面と鉢の間に空間ができ、風通しがよくなります。
また、直接熱が伝わることがないので、暑さを軽減することができます。
◎打ち水
夕方になってもなかなか気温が下がらない場合は、打ち水がお勧めです。
シクラメンの鉢の周りに水をまくことで、気化熱によって気温が下がりやすくなります。
ただし、打ち水をする時にシクラメンに水がかからないように注意します。
ガーデンシクラメン、初夏にも花が!
■シクラメンの様子
購入株も、夏越しをした株も状態は同じです。
休眠株か非休眠株かで様子が変わるので、それぞれの状態を見ておきましょう。
・休眠株
休眠株は地上部の葉が枯れ、球根も乾いてかさかさになってくる頃です。
だいたい水を切ってから1ヶ月も経つと、葉も完全に枯れてしまいます。
この枯れた葉を取り除きたくなりますが、
休眠株の場合は葉を取り除くのは避けるようにします。
生育期の時のように、球根が活動しているうちなら、
枯れた葉は取り除くようにしますが、休眠中は違います。
枯れた葉を取り除こうとしても、葉柄が球根からはずれない場合があります。
この時、無理に葉柄を球根からはずそうとすると、球根が傷ついてしまいます。
生育中ではないので、球根に傷がつくと修復することができません。
また、湿気などで傷口にカビがはえたり、腐り始めることがあります。
枯れた葉をつけたままの姿は、少々見苦しいですが、
そのままにしておくことがシクラメンのためです。
くれぐれも葉を取り除くのはやめておきましょう。
・非休眠株
非休眠株であっても、暑さから葉は次々と枯れていきます。
休眠株の場合は葉を取り除きませんが、非休眠株の場合は、
枯れた葉を取り除いておきましょう。
枯れた葉をそのままにしておくと、風通しが悪くなり、蒸れの原因となります。
また、非休眠株は萎凋病の予防のため、ベノミル剤を土に施しておきます。
■参考
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